社内報に掲載する自己紹介は、新入社員が既存社員に自分のことを知ってもらうと同時に、自己アピールができる大切な機会です。既存社員に人柄を知ってもらうためには、氏名や配属先、経歴、出身地などの基本情報から、趣味や特技、性格など、個性をアピールするための項目、入社理由、仕事への意気込みや抱負などをしっかり記載しましょう。
今回は、社内報の自己紹介について、記載すべき項目や書くときのポイントなどを紹介します。例文もありますので、参考にしてください。
目次
社内報で自己紹介をする3つのメリット
社内報で社員が自己紹介を掲載することで、次のようなメリットが得られます。
1. 自分のことを周知できる
社員数が多い会社は、同じ部署で働く社員以外と交流する機会が限られています。そのため、入社してしばらく経過しても、他部署の社員の顔と名前が一致しない、誰がどんな業務を担当しているのか把握できていない、といったケースがあります。社内報に自己紹介を掲載すれば、自分の存在を会社の全社員に知ってもらえる機会になると同時に、迎える側の先輩社員にとっても大切な事前情報の機会にもなります。
また、社内報の自己紹介は新入社員や中途社員が会社で初めて自分をアピールする場でもあります。既存社員にとっても、業務で関わりの薄い部署に入った社員を覚える良い機会になるでしょう。
以前は冊子や新聞など紙で共有することが多かった社内報ですが、最近ではイントラネットや社内SNSなどのWeb社内報を採用している会社も多く、より気軽に社内報を見られるようになっています。
2. 社内コミュニケーションの活性化につながる
多くの社員に自分のことを知ってもらえれば、社内コミュニケーションの活性化につながります。
社内報の自己紹介には、担当業務や経歴といった基本的な情報のほか、趣味や特技などを掲載するのが一般的です。社内報をきっかけに共通の趣味を持った社員や人となりに興味を持った社員同士が声を掛け合う機会が増え、普段の業務では関わらないような部署の人と交流できるようになります。
社内コミュニケーションの活性化の方法については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。
■関連コラム
社内コミュニケーションを活性化させるポイント・取り組み方を紹介
3. 過去の自己紹介をいつでも閲覧できる
ほとんどの会社では、過去の社内報をまとめて保存しています。そのため、覚えきれていない社員の自己紹介を確認したり、自分が新入社員だったころの自己紹介を読み返すことができます。
最近関わりができた社員や上司の過去の自己紹介を確認することで、より自社の社員を深く知ることができるでしょう。
社内報の自己紹介で書く項目
社内報に掲載する自己紹介には、社員の基本情報を書くだけではなく、趣味や性格を紹介することで自分の魅力を伝えたり、仕事への意気込みや抱負をアピールすることも効果的です。社内報にどのような内容を載せればいいか悩んでいる方は参考にしてください。
1. 基本情報
はじめに、最低限共有しておくと良い自己紹介の基本情報を記入します。
(1)氏名
当たり前のことですが、名字だけでなく名前もしっかり記載しましょう。読みにくい漢字の場合はふりがなを付けます。親しみやすいようにニックネームを記載するのも良いでしょう。
(2)配属先
自分が配属された部署やチーム名、担当業務を記載します。
(3)経歴
出身大学や学部のほか、サークルや留学経験など、学生時代の取り組みを記載します。中途採用の場合は、前職について簡単に記載しておきましょう。
(4)出身地
出身地も自己紹介の基本情報に入れておくと良いでしょう。同郷の社員がいれば、交流のきっかけにもなります。
2.性格や趣味・特技
基本情報の次は、性格や趣味・特技をはじめ、社員の個性をアピールできるような項目を記載します。今熱中しているもの、マイブームなどがあれば、積極的に記載しましょう。
社員の人となりを知ってもらうことで、社内コミュニケーションのきっかけが自然に生まれます。
(1)性格
自分の性格を分かりやすく伝えることで、自分の人柄を理解してもらうだけでなく、社内コミュニケーションのきっかけにつなげましょう。「真面目な性格で、高校時代は無遅刻無欠席でした」といったエピソードを付け加えれば、説得力が増し、より伝わりやすくなります。
(2)趣味・特技
趣味・特技は個性をアピールするのに最も適した項目です。
共通の趣味があると、人は親近感を覚えやすくなります。どんなスポーツが好きか、休日はどう過ごしているかなどを分かりやすく書くと良いでしょう。例えば、音楽鑑賞や映画鑑賞を書く場合は、好きなジャンルなどを詳しく記載するとより伝わりやすく、同じ趣味の社員が声を掛けてくれるかもしれません。
(3)熱中しているもの・マイブーム
趣味や特技とはいえないものの、現在熱中しているものやマイブームについて記載します。
「最近〇〇にハマっています!」「私のマイブーム」など見出しをつけることで、興味のある社員同士でコミュニケーションのきっかけにつながるかもしれません。リピートしている食べ物、毎月出かけている場所、よく聞いている音楽など、直近で気になっている物事を書くと良いでしょう。
【例文】
小さな頃からすぐに友達と仲良くなれるタイプで、明るい性格だと思います。趣味は音楽で、休日はライブに行き大好きなバンドを応援しています。最近はK-POPも好きです。
3. 入社理由
この会社に入社したいと思ったきっかけや、魅力を感じたところなど、入社理由について記載します。
入社理由は、経営者をはじめ多くの社員が興味を持つ項目です。簡潔でもいいのできちんと記載すると良いでしょう。
【例文】
昔から料理が好きで、食品にかかわる仕事に就きたいと考えていました。●●社の製粉事業や冷凍食品の開発販売事業を通じて、日本や海外の食文化に貢献したいと思い、入社しました。
4. 仕事への意気込み・抱負
社内報の自己紹介の最後は、仕事への意気込みや抱負を記載します。この会社でどんな仕事をしたいか、どのように成長したいかなど、将来の抱負をできるだけ具体的に書くことがポイントです。
社内報の自己紹介は、会社での最初の自己アピールの機会でもあります。どこにでもあるような定型文ではなく、できるだけ自分の言葉で回答することが大切です。
【例文】
お客様の課題解決につながるような提案をし、「●●さんでよかった」と言われる営業マンになりたいです。いつかは海外支店での営業も経験し、国内外の食文化を活性化させる一役を担いたいです。
自己紹介を書くときの4つのポイント
社内報の自己紹介を書く際は、これから紹介する4つのポイントに注意しましょう。
1. 読みやすく親しみやすい構成や文体を意識する
社内報は、上司や同僚、部下と、全ての社員が読むものです。掲載する自己紹介は、誰にでも読みやすい構成や、親しみやすい文体を意識して書きましょう。
構成としては、前述したとおり、1.基本情報 2.個性 3.入社理由 4.抱負の順番が良いでしょう。
文体は敬語を基本としながらも、あまり堅くなりすぎず、親しみやすさを感じる書き方がおすすめです。自分の感情を織り交ぜつつ、社会人としての一般的な礼儀を欠かないように書くと良いでしょう。
2. 謙虚な姿勢を見せる文章を心がける
社内報の自己紹介は、どの年代や価値観を持つ人が読んでも不快な気持ちにならないよう、謙虚な姿勢で文章を書くことを心がけましょう。個性をアピールしたいあまり、若者向けに傾き過ぎたり、マニアックなネタを書いたりしないよう注意しましょう。
また、抱負についても「1年以内に成績トップになる!」「最短昇進を目指します!」など、目標を高く掲げ過ぎたり、強い意欲を過剰にアピールしたりすることは、かえって悪い印象を与えてしまいます。「成績上位を目指して頑張ります」「いち早く戦力となれるよう邁進します」など、具体的な目標を掲げながらも、謙虚な姿勢を見せることが大切です。
3. 顔写真を掲載して自己紹介を分かりやすくする
自己紹介には必ず顔写真を載せましょう。紹介文からどのような人かを知ることができても、顔と名前が一致しなければ誰なのか判断できません。特に普段交流がない部署の人であれば、顔写真を見て「いつも駅で見かける人だ」「この間上司と話していた人だ」と記憶と結びつくこともあるでしょう。
特に入社したばかりの新入社員や中途社員であれば、いち早く顔と名前を覚えてもらうことが大切です。なるべく勤務時の外見に近い写真を載せておくと良いでしょう。
4. 会社の業種に合った自己紹介にする
会社の業種に合わせた自己紹介を書くことで、社員により興味を持ってもらえる文章になります。例えば、クリエイティブ系の会社なら今までの自分の作品について、観光業界なら行ったことのある珍しい国について、建築系であれば好きな建築家や今まで見たなかで感動した建築物などを紹介。また、製造業であれば、自社の製品で愛用しているものと、その理由を掲載することで自分がどういう人物なのかが伝わりやすくなるでしょう。
自己紹介を書いてもらうときの3つのポイント
社内報に掲載する自己紹介作成を書いてもらう場合は、次の3つのポイントに注意して手配しましょう。
1. 具体的な質問を投げかける
新入社員の中には、自己紹介に何を書けばいいのかわからず、当たり障りのない文章を書いてしまうケースもあります。具体的な質問を投げかけることで、社員の個性をアピールできる回答を引き出しましょう。
例えば、趣味や特技から始まり、好きなスポーツ、好きな本、旅行した中で印象的だった場所、尊敬する人物、休日の過ごし方などです。こういった質問を投げ掛けていくうちに、自分から個性をアピールできるような回答ができるでしょう。
2. 顔写真の依頼は具体的に
自己紹介に顔写真を掲載する場合は、どのような写真が望ましいか、写真データの送付方法などを具体的に説明しておきましょう。社員によっては証明写真しかない、どんな顔写真を選べばいいか分からないという人もいます。
顔写真の提出期間にはできるだけゆとりを持たせ、「大学時代のサークル活動の写真」「趣味を楽しんでいるときの写真」など、顔写真のテーマを伝えておくとよいでしょう。
3. 社内報の意義や目的を理解してもらう
社内報に自己紹介を書いてもらう際は、事前に過去の社内報や記載例を見せて会社のおける社内報の意義や目的を理解してもらうことが大切です。
他の社員がどんな自己紹介を書いているのかを見れば、主旨からずれている文章にならずにすみます。
社内報の目的については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。
■関連コラム
社内報の自己紹介は個性をアピールしながらも謙虚な文章を心がける
社内報の自己紹介は、新入社員の基本情報や人柄を覚えてもらう良い機会であると同時に、初めて自分をアピールできる場所でもあります。性格や趣味・特技などをできるだけ具体的に記載し、既存社員とのコミュニケーションのきっかけにしましょう。
上司、同僚、部下と、全社員が読める社内報は、分かりやすく謙虚な文章を心がけましょう。社会人としての礼儀をわきまえない、自意識過剰な文章にならないよう注意しつつ、個性をアピールすることが大切です。