情報共有ツールとは文書管理システムや社内SNS、Web会議システムなど、ICTを活用したツールです。主に社員同士で情報を共有し、生産性を高めるために用いられています。
社内で情報共有ツールの導入を検討している企業担当者の方もいるでしょう。今回は情報共有ツールの概要や重要性、ツールを選ぶときのポイントを解説します。記事を読むことで、自社に適した情報共有ツールを選ぶ方法を理解できます。
目次
そもそも情報共有ツールとは?
ビジネスツールとしての情報共有ツールは、情報通信技術を用いたソフトウェア、クラウドサービスのことです。主に社内の社員同士で情報を共有するために活用されます。具体例を挙げればチャットツール、オンラインストレージ、社内SNSなどがあります。
従来は電話やFAX、電子メールなどが情報共有のために活用されていましたが、情報共有ツールを使えば、もっと効率的に情報管理ができるようになります。
情報共有ツールの重要性を理解しておこう
会社の業務を円滑に回すために情報共有ツールが重要な理由は、大きく分けると2つです。
一つ目はコミュニケーションを円滑にできるからです。ビジネススピードが上がり、テレワークによる場所にとらわれない働き方が求められる中、情報共有ツールの重要性が高まっています。
二つ目はノウハウ・知識の蓄積のためです。優れた技術や知識も他社と共有できなければ、その価値を十分に生かせません。情報共有ツールを利用することで、ノウハウや知識を蓄積して多くの人の業務に役立てられます。
情報共有ツールを会社に導入するメリットとは?
情報共有ツールには業務の生産性を高め、多様な働き方を実現できるメリットがあります。ここでは4つのメリットに分けて解説します。
業務効率化を図ることができる
情報共有ツールのほとんどは、情報を共有したいメンバーとデータフォーマットを設定できる機能があります。そのため送信アドレスを入力したり、ファイル形式を統一したりする負担が少なくなります。
また情報共有ツールでは同じツール上で文書の閲覧・編集・共有が可能です。電子メールの送信や社内報配布のように、情報共有自体の手間がかかりません。
情報の管理がしやすくなる
情報共有ツールの多くは、オンライン上のサーバーでデータ管理するクラウドサービスで提供されます。そのため情報の一元化が可能です。
また、バージョン管理機能やラベル機能によって、必要な情報を簡単に取り出せます。紙文書を探し出したりファイリングをしたりする業務負担を大幅に削減できるでしょう。アクセス権限を設定してセキュリティを高めることも可能です。
情報共有時に発生するミスを少なくできる
報告・連絡・相談の不足による、情報伝達ミス・漏れは大きな問題です。情報共有ツールはこれらのヒューマンエラーが発生しにくいように、情報を視覚化してくれます。
また、伝達漏れがないように、グループ登録やタスク完了期限の設定など、さまざまな機能が搭載されています。
働き方改革にも対応できる
クラウド型の情報共有ツールを導入すると、離れた場所にいる相手ともコミュニケーションが取りやすくなります。在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、テレワークにも対応しやすいでしょう。
結果として働き方改革が目指す多様な働き方の実現や、ワーク・ライフ・バランスの推進、人手不足解消などが図れます。
情報共有ツールにはいくつかの種類がある
情報共有ツールにはさまざまな種類があります。ここでは5つの代表的な種類に分類して特徴とメリットを解説します。
情報共有ツール1:プロジェクト管理システム
プロジェクト管理システムとは、プロジェクト全体と個々のメンバーの進捗状況を見える化できるツールです。
プロジェクト管理システムを導入するメリットは、リーダーがプロジェクトを的確に管理できるとともに管理業務の負担を減らせることです。またメンバー同士で情報を共有することにより、共通認識を持ちやすくなるメリットもあります。
情報共有ツール2:文書管理システム
文書管理システムとは電子文書を管理するシステムです。クラウド上または社内サーバーにデータを保存して、文書を一元管理できることが特徴です。
全文検索やタグによる分類、バージョン管理などの機能を備えており、効率的に文書を管理できます。ワークフロー(申請・承認)機能や、保管期限・更新期限などを通知する機能を搭載したサービスもあります。
情報共有ツール3:グループウェア
グループウェアとは、先に紹介したプロジェクト管理システムや文書管理システムなどを1つのパッケージにしたツールです。通常、同じベンダーのツールがセットになっています。
情報共有に必要な機能が一通りそろっていることから、グループウェアを導入して部署ごとに最適な利用方法を選択してもらえます。また、ツール同士を連携させやすいこともメリットです。
情報共有ツール4:ストレージサービス
ストレージサービスとは、オンライン上のストレージにデータを保存・管理できるツールです。複数の人が同じファイルにアクセスできるため、共同作業が容易になる点がメリットです。
また、情報を共有する時に紙を使用せずにストレージサービスを活用すれば、ペーパーレス化にもつながります。コピー代の削減だけでなく、書類の保管スペースも少なく済むでしょう。
情報共有ツール5:社内SNS
社内SNSとはTwitterやFacebookに似た機能を社員限定で提供するツールです。電子メールよりも簡単にコミュニケーションできるようになり、ちょっとした相談にも使いやすいです。
また、福利厚生情報の一斉配信や意見交換の場として活用する方法もあります。チャット機能を使って、業務連絡や日報提出を行うことも可能です。
情報共有ツール6:Web会議システム
Web会議ツールとは映像と音声をリアルタイムで送受信して、Web上で会議ができるツールです。
Web会議システムは、例えば在宅勤務の社員と社内の社員が会議するのに便利です。資料配布や特定の人のパソコン画面を共有できます。オンラインでの商談や接客、セミナーにも、Web会議システムが用いられています。
人気の情報共有ツール3選
ここではビジネス活用で人気の高いslack、Dropbox、Google Workspaceの特徴や導入メリットを解説します。
slack
slackは社内外のコミュニケーションを1つのツール内でできるチャットツールです。「共有チャンネル」という単位で、部署や取引先などのグループを追加できます。アクセス権限の設定によっては、参加していないチャンネル内容も閲覧できるようになります。
slackを利用している会社は多く、他社との連携に使いやすいツールの1つです。
Dropbox
Dropboxは文書や画像、動画などあらゆるデータを保存できるオンラインストレージサービスです。共有フォルダのようなシンプルな仕組みのため、導入ハードルが低いことが特徴です。
共有データを一元化して社内外からアクセスしたい場合や、容量の大きいファイルを受け渡ししたい場合などに活用できます。
Google Workspace
Google WorkspaceはGoogle Meet(Web会議システム)、Google Currents(社内SNS)Google ドライブ(オンラインストレージ)などを一括導入できるグループウェアです。個人向けに提供されているGoogleカレンダーやGoogle ドキュメントなども使えます。
ツール同士の連携が簡単で、大抵のビジネス要件を満たしてくれる統合型ツールです。
情報共有ツールの選び方を解説
ここでは情報共有ツールの選び方を機能、従業員のスキル、料金プラン、トライアル期間の有無に分けて解説します。
必要な機能で選ぶ
目的に合った機能がそろっているか確認して、自社の業務や人数に合ったツールを選定しましょう。機能がありすぎると十分に使いこなせない上に、利用料金が高額になってしまいます。どのような機能が必要なのか、実際に使う社員にヒアリングすることも大切です。
社員に合わせて選ぶ
社員のITリテラシーに合わせて、情報共有ツールを選ぶことも重要です。機能を犠牲にしてでも、使いやすさを優先したほうが良いケースも少なくありません。使い方が高度で複雑なツールを導入してしまうと、業務効率が下がることや利用が定着しないリスクがあります。
料金プランで選ぶ
利用料金が安いサービスを選ぶと、必要な機能が備わっていない可能性があります。しかし、逆に高額なツールを選ぶと費用負担が大きくなってしまいます。費用対効果のバランスを考えて、ツールを選ぶことがポイントです。
体験プランの有無で選ぶ
一部の情報共用ツールにはトライアル期間があり、機能の一部または全てを無料で試せます。実際に使ってみなければ、分からないことはたくさんあります。使い勝手を確かめられるトライアル期間があると安心です。
情報共有ツールを会社に導入する前に注意すべきこととは?
ここでは情報共有ツールの導入前に行っておきたい導入目的の明確化、運用ルールの作成、社員への周知とセキュリティ教育について解説します。
導入する目的を明確にする
「なぜ情報共有ツールを導入するのか」を明確にしておきましょう。なぜなら、目的が曖昧だと、社員がツールをどう活用したら良いのか混乱してしまうからです。
例えば、同じコミュニケーションの活性化でも、Web会議システムやチャットツール、社内SNSなどさまざまなツールの活用が考えられます。ツールによって何を達成したいのかを具体的に検討しましょう。
運用ルールを設定しておく
情報共有は、共通の運用ルールがないと適切に行えません。例えば、文書管理システムにおいては、ファイル名にカテゴリーやバージョンを入れるなどのルールがないと高度な検索機能も使えなくなってしまいます。
個人によって運用方法が異ならないように、業務内容ごとの細かなルール作成が必要です。
社員に使い方を周知する
情報共有ツールを導入した際には、社内研修やミーティングを開いて使い方を周知しましょう。導入目的とともに、具体的なツールの使い方を教えます。周知が徹底されていないと、社員が適切にツールを使いこなせない可能性があるので注意が必要です。
本格的に情報共有ツールを運用する前に、トライアルで試してみるのも良いでしょう。
社内でセキュリティに対する意識を高める
クラウドサービスが多い情報共有ツールでは、セキュリティに対する高い意識が必要です。
例えば、オンラインストレージ内の文書のコピーやプリントアウトを禁止するなど、具体的なルールを周知します。また、カフェや移動中での覗き見に注意するなど、一般的なセキュリティ教育も行う必要があります。
情報共有ツールの活用で生産性向上を!
情報共有ツールを導入すると情報の共有・管理が効率的になり、生産性を高められます。またコミュニケーション不足によるミスの軽減や、多様な働き方を実現しやすくなるメリットもあります。
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