仕事でのコミュニケーションは、円滑な業務の遂行に欠かせません。一方、「コミュニケーションが苦手」「自信がない」という人もいるでしょう。部下や上司とどのように話をすれば良いか分からず、なんとなくギクシャクしている人もいるかもしれません。
この記事では、仕事でコミュニケーションが重視される理由やコツ、話題の選び方を解説します。仕事をする上でコミュニケーションを活性化したい人や、適切なやり取りの方法が知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
仕事で必要になるコミュニケーション能力とは
コミュニケーションとは、人と人が互いに意思や感情を伝え合うことです。仕事に必要なコミュニケーション能力とは、他の社員や顧客と円滑な意思疎通を図るスキルです。具体的には下記の3つが求められます。
- 話す力
- 聞く力
- 協力・共感を得る力
どんなに話し方がうまくても、相手の意見を聞けなければ能力が高いとはいえません。ビジネスでは1人で完結する仕事が少ないため、チームやプロジェクト内でコミュニケーションを円滑に取れる能力が重要視されます。
コミュニケーション能力が重要視される理由
仕事でコミュニケーション能力が重要視されるのは、あらゆる面で他者と関わる必要があるためです。具体的には顧客、社内の上司や同僚、協力会社といった人との関わりが発生します。
例えば、自社製品が他社と比較して唯一無二の優れた機能を持っているとしましょう。優れている点、従来の製品との違い、購入するメリットなど、顧客に提案する際のセールスポイントはたくさんあります。しかし、どれほど魅力的な商材であっても、分かりやすく話せる力がなければ、相手に理解されず購買にはつながりません。
また、ニーズと見当違いの紹介をしてしまえば、顧客は見向きもしないでしょう。顧客のニーズを把握する際には、相手の意見を聞き取って正しく理解する力が求められます。いずれの力もコミュニケーション能力であり、仕事を円滑に進めるためには必要不可欠な能力です。
同時に、社内での意思疎通や認識の共有にも、コミュニケーション能力が必要です。チームで仕事を進める際にお互いの考えや気持ちが分かれば、良好な人間関係の構築に役立ち、協力を得やすくなるでしょう。
仕事上のコミュニケーションを活性化させるメリットとは
仕事を進める上でコミュニケーションを活性化させるメリットを3つ紹介します。
メリット1:アイデアが生まれやすい
仕事場に話しやすい雰囲気があり、社員がのびのびと発言できれば、新しいアイデアが生まれやすくなります。良いアイデアはビジネスチャンスを広げるため、企業にとってもメリットです。他者の意見が刺激になって、社員の意識が向上したりスキルアップにつながったりするでしょう。
ただし、発言を一方的に否定する人がいると、社員が萎縮して逆効果になってしまう可能性があるので注意しましょう。お互いの意見を尊重して認め合う組織文化づくりが必要です。
メリット2:業務がスムーズに進みやすい
コミュニケーションが活性化すれば業務がスムーズに進み、業務効率がアップします。コミュニケーション不足により担当者間の認識にずれが生じ、無駄な仕事や遅れが生じるケースは多々発生します。質問や相談、確認がしづらい環境は、結果的に無駄な作業や後戻り作業の発生を招きます。風通しの良い環境が業務効率につながるのです。
企業にとっては、生産性向上が見込める点もメリットです。2020年4月からは、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用されました。各企業は、これまで以上に生産性を上げて時間外労働を減らす努力が求められています。コミュニケーションが取りやすい環境を作ることで、組織としての能力の底上げも期待できるでしょう。
メリット3:離職率の改善につながりやすい
コミュニケーションの活性化は社員のエンゲージメントを高めるため、離職率の改善に有効です。エンゲージメントとは、企業に対する社員の主体的な貢献意欲や愛着のことを指します。企業と社員が共に成長するために、互いに貢献し合う関係性を意味する概念です。
コミュニケーションが活発な仕事場は、社員にとっても働きやすく居心地の良い場所です。働きやすく、仕事を進める際のストレスが少ない環境下で「この会社に貢献したい」「長く働きたい」と考える社員が増えれば、離職率は低下するでしょう。
コミュニケーションには2つの種類がある
コミュニケーションには、2つの種類があります。1つは言語コミュニケーション、もう1つが非言語コミュニケーションです。
言語コミュニケーション
言語コミュニケーションとは、直接的な会話や電話、メール、チャットなど言語のみを用いるコミュニケーションです。最大の特徴は、内容が明確で発信をコントロールしやすい点にあります。話す、聞く、質問するといった言葉を口に出す手段だけではなく、手話や筆談も言語コミュニケーションの一つです。
会話は「言葉のキャッチボール」であり、一方的な話のみでは成立しません。お互いに意見を述べ、相手の意見を理解しようとする努力が求められます。
非言語コミュニケーション
非言語コミュニケーションとは、言語以外で気持ちや思いを伝えるコミュニケーションです。表情やしぐさ、視線、姿勢、声の大きさやトーン、スピードなどが、その代表例です。文化や親密度、状況によっても発信方法や受け取り方が変わり、人によっても感じ方が異なります。
人は、非言語コミュニケーションから多くの情報を読み取ります。まさに、「目は口ほどに物を言う」のことわざの通りです。発信者が意図しない情報が相手に伝わるケースも少なくありません。
2種類のコミュニケーションが仕事上でどう機能するか
仕事では「発言された言葉=相手の思っていること」ではない場面が度々あります。例えば、部下に説明をしたときに「分かりました」と返事をされたとしても、実は理解されていない、といったことは起こります。また、顧客に対して会話をする中でも同じような状況に直面することがあるでしょう。
このような場合には、発言された言葉だけでなく声のトーンや表情も確認すると良いでしょう。不安そうな顔をしていたり、目が泳いでいたりすれば、言葉とは裏腹に何か気になることがあるのかもしれません。
また、納得していないニュアンスが声に含まれていた場合には、自分が伝えられていないことや誤解させていることがある可能性が考えられます。言語コミュニケーションだけでなく、非言語コミュニケーションから相手の意思を読み取るのも、仕事上のコミュニケーションにおいて重要なことです。
仕事でのコミュニケーションに必要な力とは
仕事でのコミュニケーション能力を上げるためには、「伝える力」と「受け取る力」を理解して身に付ける必要があります。以下では、それぞれの力の具体的な内容について解説します。
伝える力とは
伝える力とは、誤解を生まない表現で自分の意見を相手に分かりやすく伝える能力です。具体的には、下記のような要素が求められます。
- 論理的に話す
- 事実と個人の意見を明確に区別する
- 相手の理解度に合わせた言葉を選ぶ
- 適切なタイミングや方法を選んでコミュニケーションを取る
声の大きさやスピードを調整する、視線を合わせるといった非言語コミュニケーションも意識することが、伝える力をアップさせるポイントです。
受け取る力とは
受け取る力とは、相手の意見に耳を傾けて正確に理解する能力です。一方的に話を聞くのではなく、不明な点を自ら問いただす力も含まれます。「適切に相づちを打つ」「ポイントを復唱する」といった手法も有効です。
受け取る力にも非言語コミュニケーションは欠かせない要素です。相手の目を見て話を聞く、話を聞きながらうなずく、といった姿勢が見えると、真剣に聞いている姿勢が相手に伝わるでしょう。また、上司の立場としては、気になることがあれば高圧的にならず、話しやすく、柔らかい雰囲気を作り、自ら声を掛けたり連絡を取ったりすることも大切です。
コミュニケーションが得意な人の特徴を押さえよう
コミュニケーションが苦手な場合は、得意とされる人の特徴を理解するのも効果的です。以下では、3つの特徴を紹介します。
簡潔に話をする
コミュニケーションが得意な人の話は、内容が簡潔です。
仕事においては多忙な人も多いため、ビジネスでは必ず結論から話しましょう。簡潔な話をするためには、事前準備も必要です。あらかじめ話のポイントをまとめ、誰にとっても分かりやすい表現を考えます。伝える相手によって専門用語やビジネス用語の多用を避ける工夫も必要です。
きちんと相手の話を聞いている
コミュニケーションが上手な人は、聞き上手です。笑顔で向き合い、相手のペースに合わせるなど、話しやすい雰囲気づくりのコツをつかんでいます。
ネガティブな言葉や態度がない点も特徴の一つです。自分の話に自信がある人ばかりではないため、真剣に話を聞いてくれる人がいれば安心感が高まり、相手への信頼度もアップします。
報連相がしっかりしている
「報連相」は、「報告・連絡・相談」を意味するビジネスの基本です。コミュニケーション能力が高い人は、報連相がしっかりしています。
- 報告:主に上司に対して業務の状況や経過を伝える
- 連絡:業務に関わる人に知っておくべき決定事項を伝える
- 相談:主に上司から業務上のアドバイスや指示を受ける
こまめな報連相ができれば、仕事場での信頼感が高まります。コミュニケーションの活性化にも有効です。
仕事で円滑なコミュニケーションを取るコツとは
ここからは、仕事で円滑なコミュニケーションを取るコツを解説します。誰でも実践できる3つのコツを見ていきましょう。
相手への気遣いを忘れない
気遣いとは、相手に不快な思いをさせないように配慮することです。ビジネスでは、相手の立場・意見を尊重する姿勢を持ち、ハラスメントに該当する言動を避ける努力が求められます。小さなことですが、あいさつや声掛けを自ら積極的に行うことも大切です。「あいさつをしたのに無視された」「相談しても『忙しいから』と断られることが多い」といったことが重なると、人間関係にあつれきが生じてしまうかもしれません。
相手の行動を褒める
コミュニケーションを活性化したい場合は、褒める組織文化づくりが効果的です。特に部下の行動や仕事を上司が的確に褒めると、自尊心とやる気がアップします。
褒めるコツは、以下の通りです。
- 評価のポイントを明確にする
- 否定語を使わない
- 相手の名前を入れる
サンクスカードや社内ポイントなど、「褒める」を仕組みとして導入する企業も増えています。
自分の情報を相手に伝える
「相手がどんな人か分からないと話しにくい」と感じる人は少なくありません。自分の情報をある程度開示しておけば、相手との距離感が縮まります。
人によっては社内の人に話したくないこともあるでしょう。適切な自己開示の内容は、相手との関係性や年齢、性別などによっても異なります。自分のストレスにならない話題を事前にいくつか持っておくと安心できます。具体例を下記で紹介します。
- 好きな食べ物について話す
- 趣味やペットについて話す
- 気候、天気、季節の移り変わりについて話す
仕事場に適したコミュニケーションの話題とは
ここでは、仕事場に適したコミュニケーションの話題を4つ紹介します。すぐに使えるものばかりなので、ぜひ実践してみてください。
この会社に決めた理由
入社した理由は、新入社員とのコミュニケーションにおすすめです。志望動機は面接時にしばしば聞かれる内容で、新入社員にとって話しやすいためです。仕事観や価値観を把握できるメリットもあります。
趣味・嗜好
好きな食べ物や趣味は、雑談のポピュラーな話題の一つです。多くの人にとって気軽に話しかけやすく、好みに違いがあっても会話を続けやすいためです。趣味が同じ場合なら、一気に親密度がアップする可能性もあります。昼食によく食べる好きなもの、職場近くのおいしいお店などを共有しても良いでしょう。ただし、相手の趣味や嗜好を一方的に否定する言動は避けることが大切です。
尊敬する人
「尊敬する人は誰か」を尋ねて、尊敬している理由やエピソードなどを聞いてみるのも良いでしょう。内容にもよりますが、相手のビジョンに共感できるかもしれません。仕事を行う上で参考になることもあるでしょう。部下のモチベーションを高めたいときにも有効です。
社内報
社内報では社員全員に関わる情報を扱うため、共通の話題づくりに役立つでしょう。職場で私生活のことを聞くのは気が引ける……という方でも、社内報に書かれている話であれば話題に上げやすいのではないでしょうか。最近入社してきた人のことや自社のトレンド、顧客や事例に関する話など、共通の話題は仕事場のコミュニケーション活性化に有効です。
社内報はコミュニケーション活性化に効果的
仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーションの活性化が重要です。仕事や部活動など、自然発生するコミュニケーションはもちろんありますが、上司や部下といった「タテ」の関係性だけでなく、同年代の「ヨコ」の交流や、部署間を越えた「ナナメ」のコミュニケーションを促進させるためには、企業が率先して活性化させるよう働きかける必要があります。
コミュニケーション活性化の方法はいくつかありますが、その中でも社内報は社員間の共通の話題を生み出すツールとして非常に効果的です。社内報で社員の新たな一面を紹介することで社員がコミュニケーションをとる足掛かりにもなります。
昨今テレワークを採用している企業が増えていることを考えると、社内報の媒体はWeb上である方が望ましいといえるでしょう。
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