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行動指針とは? 企業理念との違いや定めることによる企業のメリット

公開日 : 2022.03.08  最終更新日 : 2022.11.25
運用・体制

行動指針とは行動指針とは何かご存じですか? 企業理念と混同し、正しく使い分けられていない人は意外と少なくありません。しかし経営者や担当者であれば、しっかり把握しておきたいところです。

そこで今回は行動指針について詳しく解説します。行動指針が自社に必要かどうか判断してみましょう。さらに行動指針の作成方法や浸透させるコツなども、あわせて紹介します。自社にとって必要だと判断した場合はこちらも参考にしてみてください。

行動指針とは

行動指針とは「行動をするための基本方針」を意味しています。行動を起こす際に、どうするべきかを判断するための基準です。

行動指針があることにより社員は方向性を統一し、組織が一丸となって業務に取り組むことができます。社員は何かに迷ったとき、社内共通の基準や価値観を参考に行動できるようになるのです。

企業理念との違いは何?

企業理念は会社の使命であり「ミッション」「ビジョン」ともいわれています。会社が最も大切にしている基本的な考え方であり、社会に対して企業の存在価値を表すものです。

一方、行動指針は企業理念の一部にあたります。企業理念を達成するため、社員はどのように行動するべきかを言及するものです。

企業理念と行動方針は混同されがちですが、それぞれ意味は異なるのでしっかり区別できるようにしましょう。

企業が行動指針をつくるメリットは?

行動指針をつくるメリット企業が行動指針をつくるのは下記3つのメリットがあるからです。

  •  社員のやるべき「行動の基準」ができる
  •  社員のやる気アップにつながる
  •  企業の組織としての文化ができる

行動指針の重要性を知ることができる部分なので、それぞれ確認しておきましょう。

社員のやるべき「行動の基準」ができる

社員一人ひとりがもつ個性は尊重されるべきです。しかし、企業という組織の一員である以上、向かうべき方向は他の社員と同じでなくてはいけません。

行動指針があることで社員は自分の考えで動くのではなく、組織の一員として「とるべき行動」をとれるようになります。とるべき行動が言語化されていれば自分自身で振り返り、他の社員たちと認識を合わせやすくなります。

社員のやる気アップにつながる

行動指針がないと上司によって指示の内容がバラバラだったり、一度決めたものが変更になったり、働きにくい職場環境になりやすいものです。社員は判断に迷ったとき躊躇してしまいますし、上司の顔色をうかがうといった行動をとる恐れもあります。これでは社員のやる気は低下してしまうでしょう。

行動指針があれば企業としての正しい行動をとれるようになります。行動指針に沿った行動をとれる社員は社内で評価されやすいので、本人は自信をもって業務に取り組めます。

さらに社員同士が同じ方向を向いているという一体感も生まれ、双方の成長に貢献しあう関係を築けるでしょう。

企業の組織としての文化ができる

行動指針があることで組織に文化ができます。そもそも行動指針に明確な定義はなく、各企業によって行動指針の内容は微妙に異なります。行動指針にはその会社の特徴や個性が表れやすくなっているのです。

社員の振る舞いや行動は、取引先やお客様など外部の人にとって「企業の姿」として捉えられます。社員が良くない行動をとれば、企業のイメージを落とすこととなるでしょう。

行動指針があることで、企業の一員としてどう振る舞うべきか意識しながら行動できます。他の社員とも足並みを揃えられるので、結果的に良い企業文化を築けるのです。

行動指針を作成する流れを確認

行動指針を作成する流れ行動指針の必要性を把握できたところで、作成の流れを確認しておきましょう。順に沿って説明するので参考にしてみてください。

1.企業が実現したいことを明確にする

企業が実現したいことを明確にします。例えば「会社が顧客に与えたもので満足してほしいこと」「上質なサービスや商品で会社が顧客に与えられるもの」など、まずはざっくりでよいので、書き出してみましょう。

企業にとって実現したいことは、ミッション・ビジョンに値します。ここが明確になっていないと行動指針は生まれません。企業の現在地点と目指すべき場所を定めるところから始めるべきです。

2.バリューチェーンにそって行動指針をリストアップ

バリューチェーンとは自社の事業活動の各段階を分析し、自社の強みや弱みを明確にするフレームワークです。課題解決や競合他社との差別化できるポイントを把握できます。

お客様がどうやって自社のことを知り商品・サービスに至ったのか、そして家族や友人に紹介するかなど、バリューチェーンごとに分析します。どのような行動や価値観を持つと自社らしいのかを、ここで考えてみましょう。

3.確実な実績があった残すべきことを明確にする

すでに行っている取り組みの中には、残すべきものもあるはずです。残すものは行動指針に組み込むものとしてリストアップしましょう。

行動指針の作成では必ずしも行動や価値観を刷新しなければいけないわけではありません。今まで行ってきた取り組みで、確実に効果・実績を得られたものもあるはずです。そこは変えず継承していくべきなので、リストアップして視覚化するようにしましょう。

4.企業の中で「やめること」をリストアップする

やりたくないことや避けたいこと、自社の企業理念に反することはすべて「やめること」です。やめることの選定もまた行動指針を作成する上で重要なポイントです。

例えば「効率だけを重視しない」「有給休暇を取りにくい職場環境にしない」「クライアント・お客様の利益よりも自社の利益を優先しない」などが挙げられるでしょう。

企業は、始めることには積極的に取り組みますが、やめることに対しては消極的です。しかし、次から次へと新しいことを始めると、社員はパンク状態に陥ります。新しく何かを始めるなら、必ず何かを減らすこともまた大切なポイントです。

5.リストを2つに分けて整理する

2~3までで作成したリストを確認し精査します。書き出した行動の中で、意味が同じものや似たようなものはグループにして、ひとまとめにしましょう。

またリストを分けるときは「企業の価値観」「具体的な行動」この2つに分類すると分かりやすくなります。リストの内容は多すぎると分かりにくくなってしまうので、なるべく凝縮してスリム化にすることを意識しましょう。

6.整理して確認した内容を言葉に変える

5で整理した内容は文章になっていることがほとんどです。文章で書かれるとインパクトが弱く、頭に入ってこない恐れがあります。整理した内容はできるだけシンプルで伝わりやすい言葉に変えましょう。

例えば「お客様の立場になって何が必要か考える」は「自分もお客様の一人」と置き換えたほうが、スリムな上にインパクトがあります。自社にしっくりくる言葉を選ぶことで、「その企業らしさ」を表現できます。

7.決めた言葉にプラスし、具体的な行動を短く書く

6で決まった言葉に、具体的な行動を示す短めの文章を書きましょう。例えば決めた言葉が「自分もお客様の一人」であれば、「私たち社員一同は、自分自身を一人のお客様だと考えており、自分たちが本当に必要なもの・サービスを提供しています。」このように文章を続けます。

また、行動方針の数は企業によって異なります。10個以上の企業がいれば3個ほどの企業もあります。正解はないので、自社に適した書き方や数で行動指針をまとめるようにしましょう。

行動指針を浸透させるにはどうすればいい?

行動指針を浸透させるには行動指針を作成した後は、社員に浸透させなければいけません。しかし、社員の中にはすぐに受け入れられず戸惑う人もいるでしょう。そこで、うまく浸透させるための3つのポイントを紹介します。

ポイントは下記のとおりです。

  • 日常の業務に行動指針を加えていく
  • 評価項目に行動指針への理解や行動を入れる
  • 表彰制度で行動指針を最も体現したメンバーを褒める

それぞれ解説するので、参考にしてみてください。

日常の業務に行動指針を加えていく

行動指針を浸透させるためには、特別なタイミングで思い出すのではなく、常に意識することが大切です。例えば、業務日報の中に行動指針に関するチェックリストを設けることで、その日の終わりにできたかどうか、振り返る習慣を作ることで自然と意識するようになるでしょう。

他にも定期的に上司とのミーティングを開き、行動指針を達成できているか振り返るのも効果的です。振り返るタイミングや頻度は、自社や部署に合ったスタイルで行うようにしましょう。

評価項目に行動指針への理解や行動を入れる

昇給や昇進の際に行われる人事評価の項目の中に、行動指針への理解や行動を含めると、社員の意識を高められます。

行動指針を取り入れるメリットを理解できていても、実際に行動できるようになるまでは時間がかかるものです。そこで、目に見える形で評価されることで、行動指針に沿った働き方を心掛けるようになります。

表彰制度で行動指針を最も体現したメンバーを褒める

スムーズに行動指針を浸透させるためには、評価項目に落とし込むことが理想です。しかし、評価制度を変更するのは時間が掛かりやすく、せっかく行動指針を作っても実施するタイミングが遅くなる恐れがあります。そこでおすすめなのが、「表彰制度」の導入です。

表彰制度では行動指針を理解した上で、もっとも忠実に体現できた社員を選び表彰します。表彰式を社内報などで全社員に周知することで、短期間で行動指針の認知度を上げられます。

さらに企業がどれほど行動指針を進めたがっているのか、本気度や重要性を示すこともできるでしょう。

行動指針の具体的な例はどんなものがある?

行動指針は実際に多くの企業で作成され、企業活動において活かされています。作成にあたり決まりやルールはないので、行動指針には各企業の個性が現れていることがほとんどです。今回は3社の行動指針を紹介します。

Googleの行動指針は?

Googleでは「こうあるべき」と考える行動指針を10個掲げています。

  • ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  • 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  • 遅いより速いほうがいい。
  • ウェブでも民主主義は機能する。
  • 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
  • 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  • 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  • 情報のニーズはすべての国境を越える。
  • スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  • 「すばらしい」では足りない。

Googleらしいユーモアある行動指針です。ただし、言葉の中には身が引き締まるような姿勢も感じられます。

ローソンの行動指針は?

ローソンでは、グループ理念に「私たちはみんなと暮らすマチを幸せにします。」、ビジョンには「目指すは、マチのほっとステーション。」を掲げています。

理念とビジョンを実現するため、下記5つの行動指針を設定しています。

  • マチ一番の笑顔あふれるお店をつくろう。
  • アイデアを声に出して、行動しよう。
  • チャレンジを、楽しもう。
  • 仲間を想い、ひとつになろう。
  • 誠実でいよう。

さまざまなビジネスにチャレンジしている、ローソンならではの行動指針といえるでしょう。

メルカリの行動指針は?

メルカリの行動指針は下記の3つです。

  • Go Bold – 大胆にやろう
  • All for One – 全ては成功のために
  • Be Professional – プロフェッショナルであれ

これらを「3つのバリュー」と呼び、社員に浸透することで、言動にブレのない組織としての文化を築き上げています。

行動指針が企業のミッションやビジョンの実現に繋がる

行動をするための基本方針である「行動指針」はやるべきことが明確になるので、社員の言動や行動を統一化できます。企業のミッションやビジョンの実現にもつながるので、作成した行動指針はしっかり浸透させたいです。

行動指針を社員全員に周知する方法として社内報があります。しかし、社内報を発行しても、社員が見てくれているのか見逃していないか確認するのは困難です。

そこでおすすめなのがWeb社内報サービス「社内報アプリ」です。通常一方的な発信になりやすい社内報ですが、社内報アプリは「いいね」機能やコメントの搭載によって双方向へとシフトチェンジできます。またプッシュ通知は記事の閲覧を促せるので、配信の見逃しを防げます。行動指針を浸透させる方法の一つとして効果的なので、行動指針の浸透の際はぜひ社内報アプリをご検討ください。料金や利用方法など、詳しい内容は「資料請求」ページからお気軽にお問い合わせください。


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