ペーパーレス化の影響で社内報業界もWeb化が進み、新たにアプリ社内報への興味関心も高まっています。その結果、 企業規模が大きくなるほど、紙・Web(イントラ)・アプリなど複数の媒体を併用する企業が増えていく傾向にあります。
そんな流れの中、多くの社内報担当者を悩ませるのが「各媒体の社内報をどう使い分けるか」。3つの媒体はそれぞれ特性が異なるため、目的やターゲットを分けて運用する必要があります。
今回は紙・Web(イントラ) ・アプリそれぞれの特徴、メリットとデメリット、各媒体に合うターゲットや企画ネタを紹介。3つの媒体を連携させて、より効果的な社内報を作る方法を紹介します。
目次
大企業の約半数が複数の媒体を併用している
ウィズワークスが隔年で実施している「全国社内報実態調査」の報告書『社内報白書2018』によると、紙とWebの社内報を併用している企業は28.8%。うち3,000人以上の企業では47.5% が併用していると回答しました。大企業では約半数の企業が紙とWebの社内報を使い分けている現状がうかがえます。
また、アプリ社内報については「現在使用している」と回答した企業は4.6%ですが、「現在使用していないが、将来的には使用したい」との回答は22.4%に。アプリ社内報にも関心が集まり始めています。
大企業では「媒体のすみ分け」に悩んでいる
媒体が増えた先に課題となるのが「どう各媒体を使い分けるか」です。『社内報白書2018』では全体の26.0%が「ツールや媒体のすみ分け」に悩んでいると回答。そのうち3,001人~10,000人の企業では36.2%となり、複数の媒体を併用している大企業が抱えやすい課題だと言えます。
紙・Web・アプリの特性は「時間」「空間」「共感」で比較できる
ウィズワークスでは紙・Web・アプリ社内報のそれぞれの特性を「時間」(速報性・保存性)、「空間(双方向性・携行性)」、「共感(ストーリー性・到達度)」の項目で比較しました。各媒体でメリットやデメリットが異なり、それぞれに合う読者ターゲットや企画内容も変わってきます。
紙社内報の特徴、おすすめコンテンツ
紙社内報の強み・弱み
[強み]ストーリー性・到達度・携行性
手に取ってじっくりと読むため、読者に思考を促すことができる。Webやアプリに比べてデザインの幅が広く、ストーリー性を持たせるのにぴったり。社員に直接手渡せるため、情報の到達度も高い。
[弱み]速報性・双方向性
企画、取材、原稿作成、デザイン、印刷……と、1冊の社内報が完成するまでに時間がかかってしまう。すぐに情報を伝えたい場合には向かない。コメントや「いいね!」機能は付けられないため、読者同士の交流は生まれにくい。
紙社内報に合うターゲット、コンテンツ
[ターゲット]社員の家族・OB・OG・内定者など幅広く設定可能
家に冊子を持ち帰ることができ、社員の家族にも読んでもらえる。社内イントラ(Web社内報)を見られないOB・OGや内定者にも配布可能。比較的、終身雇用制度が浸透していた世代によく読まれる傾向にある。
[向いているコンテンツ]ストーリー性の高いインタビュー記事
例えば、逆境を乗り越えたエピソード、お客さま対応で得たことなど。読者の共感や腹落ちを意識した企画で、行動変容につなげる。
社員の家族や内定者、OB・OGも想定した企画(例:親子2世代で働く家族、社員の奥さま対談、会社の歴史の振り返りなど)も有効。
Web(イントラ)社内報の特徴、おすすめコンテンツ
Web(イントラ)社内報の強み・弱み
[強み]速報性・保存性
適切なタイミングでスピーディーに情報を発信できる。Web内に記事が蓄積されていくため、データベースの役割も果たす。
そのほか、ページ数に制限がなく、必要な情報を必要なだけ記事化できるメリットもある。記事に関連リンクをたくさんつけたり、動画とリンクさせたりすることで、情報の深度を高められる。
[弱み]携行性・到達度
Web社内報は業務中にパソコンで閲覧されるケースが多い。社内の専用ネットワーク内のみに接続を制限する会社もあり、社外で読むのは一般的には難しい。
イントラは会社の多くの情報が集約されているため、社内報が他の情報に埋もれる可能性があり、到達度がなかなか上がらないことが多い。
Web(イントラ)社内報に合ったターゲット、コンテンツ
[ターゲット]正社員・契約社員など
閲覧可能な社員を限定しているイントラ環境を活用。情報セキュリティも万全。
[向いているコンテンツ]速報性、気密性の高い記事
ニュース、展示会速報、表彰など社内にすぐに発信したい記事。
新入社員の特集など、機密性の高い記事も有効。人事情報、社員個々の慶弔情報の掲載にも向いている。
アプリ社内報の特徴、おすすめコンテンツ
アプリ社内報の強み・弱み
[強み]携行性・双方向性
スマートフォンで常に持ち歩けるので、電車移動中などの隙間時間に社内報を読める。プッシュ通知で読んでもらいたい記事に誘導することで、情報の到達度も高められる。
コメントや「いいね!」機能がついている場合、社員がSNS感覚で利用しやすく、社員参加型ツールとして活発に運用できる。
[弱み]ストーリー性
短時間でサクサク読むツールのため、長い文章でストーリー性の高い記事を読むことにはあまり適さない。長い記事は文中に写真をなるべく多く差し込むなど、長くても読み進めやすくなる工夫が必要。
アプリ社内報に合ったターゲット、コンテンツ
[ターゲット]社外にいることが多い社員、若い世代
工場や店舗などの現場にいてイントラを利用しづらい社員でも、スマートフォンを活用することで、隙間時間に社内報を読むことができる。スマホ世代の若者にも情報を届けやすくなるため、若い世代を主役にした企画を立てるのも効果的。
[向いているコンテンツ]新商品情報、若手社員同士の対談記事
会社の「今」を知ってもらうために、新商品の情報や開発のきっかけ、豆知識など定期的に記事化する。若い社員向けに、自社が今までどんな商品を生み出してきたのか歴史に沿って紹介するといったことも。
若手社員同士の対談記事などでは、社員の顔写真をなるべく多く載せて親しみを醸し出し、読みやすくする。
3つの社内報を連携させて、より効果的な情報発信を
各媒体の違いを理解して使い分ければ、一つの企画を多様な形で的確なターゲットに発信することができます。その一例を紹介します。
企画例①新入社員紹介
紙媒体では顔写真と名前、所属だけ一覧で表示。社員の趣味や学生時代の思い出、会社への思いなど詳細な情報はWeb(イントラ)で紹介する。
企画例②会社統合
情報解禁直後には速報記事をアプリで一斉配信。記者会見のダイジェストや社長インタビューを動画(3~5分)にまとめて、Web(イントラ)にアップ。後日、紙の社内報で特集を組み、統合の背景、社員に伝えたい思いを紹介する。
企画例③トップメッセージ
紙媒体ではインタビュー記事で会社の今後の方針を伝え、経営計画など難しい話題はデザインを工夫して、できる限り分かりやすい企画になるように意識する。
Web(イントラ)では、正社員・契約社員へ向けて社長のインタビュー中や直前の様子などの動画を配信。社長の人柄を伝えて身近に感じてもらうだけでなく、紙社内報への興味関心を高める。
アプリでは、社内報を読む時間がなかなか作れない現場社員まで届くように、紙の社内報を要約して短い文章で紹介する。
媒体の違いを理解し、それぞれの目的やターゲットを設定しよう
各媒体の特性が分かれば、それぞれにどんな情報を載せるべきかが見えてきます。社内広報の目的達成を意識しながら媒体ごとに存在目的やターゲットを設定して、企画の方向性や各媒体の連携のさせ方を考えてみましょう。
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