社内の状況に応じて、紙の社内報からWebやアプリの社内報に移行、または複数の媒体を併用する企業も増えています。新たな媒体を運用するだけでも大変ですが、その上「記事が読まれない」「そもそもアプリをダウンロードしてくれない」といった壁にぶつかるケースも多いようです。
Webやアプリの社内報を浸透させるには、社員に「社内報を読んでみたい」「読まないといけない」と思わせる工夫が必要です。具体的な切り口や企画ネタを、企業事例を交えながら紹介します。
目次
「Web社内報で取り組みたい課題」の1位は「全体的に閲覧率・到達度を上げたい」
ウィズワークス発行の『社内報白書2018』では、Web社内報で「今後取り組みたい課題」として「全体的に閲覧率・到達率を上げたい」(79.6%)が最も多く挙げられました。
Web社内報では「閲覧してもらう」という初めの一歩をクリアすること自体が課題となっています。アプリも同様に、まずは社内報のアプリをダウンロードしてもらわないと何も始まりません。
Web社内報が読まれない、アプリがダウンロードされない理由
Web社内報の閲覧率が上がらない、アプリがダウンロードされない背景には2つの原因があります。
①社内報を読む重要性が理解されていない
②閲覧やダウンロードへの導線が不十分
①社内報を読む重要性が理解されていない
「業務時間に社内報を読む時間を確保しにくい」「業務終了後にパソコンを社外に持ち出し、わざわざ社内報を読むほどの余裕がない」という社員も多いでしょう。
会社の雰囲気として「会社のパソコンで社内報を読んでいると、周囲から『あの人は仕事をしていない』と思われてしまう」というケースもあるはずです。
しかし、社内報が自分の仕事に直接影響する、社内報を見ないと成長につながらないという認識が社内に広がれば、閲覧率やダウンロード率は高まります。社内報の重要性を社内に浸透させる工夫が必要です。
②閲覧やダウンロードへの導線が不十分
新しいツールを浸透させるには、社員に「分からない」「めんどくさい」という感情をできる限り抱かせないことが重要です。閲覧につながりやすい、ダウンロードしやすい環境になっているか、あらためて確認してみましょう。
「どこからWeb社内報にアクセスしたらいいのか分かりづらい」「アプリのダウンロードに必要なIDやパスワード発行の手順が複雑」という状況ならば、導線を改善する必要があります。
Web社内報を「読みたい!」と思わせるアイデア15選
社内報担当者が単純に「Web社内報を見てください」「アプリをダウンロードしてください」と呼び掛けるだけでは、この課題の解決は難しいかもしれません。
『社内報白書2018』では、Web社内報のアクセスを増やすための工夫について、社内報担当者から自由記述で回答を集めました。今回はその中から15個のアイデアを紹介します。
メール、イントラの導線を工夫して閲覧を誘導
- 社内イントラサイトにリンクバナーを設置(シングルサインオン※)。
- 公開後、対象者にメールで周知、社内イントラの掲示板でも周知。
- 最も社員に利用される頻度の高いポータルサイトの前面に埋め込むことで、必ずWebグループ報コンテンツを目にする仕組みになっています。
※シングルサインオン…1回のログインで複数のサービスやシステムを利用できる認証の仕組みのこと。ユーザーが楽になるだけでなく、認証情報を一元管理できるため運用側も便利。クラウドの普及に伴い、ニーズが拡大しています。
草の根活動
- 各拠点に最新号の社内報ポスターを貼り、QRコードも掲載。スマホからのアクセスアップを狙っている。
- Webの閲覧チェックをし、発行2週間後に閲覧していない人にはメールで再配信する。
幹部など人的ネットワークの駆使
- 月1回の朝礼で社長から閲覧広報をしている。
- 部門ごとに閲覧数を出して、上位者の部門責任者にインセンティブを支給している。
企画内容で勝負
- 現場で行われている業務や活動を紹介し、他部門がどのような仕事をしているのかの理解を促進している。
- タイトルを工夫し、読者の興味を引く。ゲームなどの流行を取り入れたり、テレビ番組のタイトルを参考にする(新任プロフェッショナル、仕事の流儀など)。
- 人の顔(写真)をたくさん出す。
- 各拠点の情報をまめに収集し紹介。
- 従業員の結婚や子ども、趣味なども紹介して、他従業員とのコミュニケーションができる内容に。
速報性のメリットを活用
- ネタがあった場合は即時配信を心掛けている。
デザイン
- 「文字を少なく、イラストや図解を多く」を意識して読みやすい画面作り、読みたくなる画面作りを目指している。
- 1記事当たりの文字数を少なく。
Web社内報の閲覧率を高める工夫はさまざま。各社の事例を参考に、自社の課題感に合った解決策を考えてみましょう。
社内報アプリをダウンロードさせる方法
Webメディア「社内報ナビ」では以前、アプリ社内報を運用中の3社(株式会社デンソー、楽天株式会社、株式会社ローソン)の担当者による座談会を開き、各社のリアルな悩みや施策を聞きました。ローソンは社員にアプリをダウンロードさせる工夫として、アプリを「見ないとまずい」存在に位置付けているそうです。
ローソン:うちではすでに(アプリの社内報を)「見ないとまずい」という状況になっています。
楽天:それは、例えばどんな情報ですか?
ローソン:他の部署がどんな取り組みをしているのか、お店で何を売って、どんな活動をしているかというようなことです。
というのも、全国各地に拠点があるので、自部署以外の情報が取りづらい点は否めません。なので、アプリ社内報でチェックしているとよく聞きます。
反対に、現場を回るSVは全社朝礼に出られないので、店舗巡回の合間を縫ってトップメッセージの動画をチェックしている人が多い。
うちでは普段の会話にも朝礼の内容が出てくることが多いので、特に管理職などは「チェックしておかないと」という感覚を持ってくれているようです。デンソー:では、ほとんどの方がダウンロードされているんですね? うちはまさにそこが悩みどころです。
強制はしたくないので、メリットを伝え、プレゼントを付けたりして、前向きにダウンロードしてもらえるようには心がけているのですが。楽天:同じです。最初の頃は地道にチラシ配りもしました。社食に手順を説明するブースを設けたり。
ローソン:「ダウンロードして」とは言いたくないですよね。大事になってくるのは、やはり情報の価値じゃないでしょうか。先ほど話したような「見ないとまずい」情報を提供できれば、ダウンロードの必然性が高まってくると思います。
出典:社内報ナビ「アプリ社内報が拓く、社内報の新しい可能性(後編)」
社員の業務遂行に必要な情報を展開し、「アプリを見ていないと、会社のことが分からない」という状況にする。アプリの価値を高めることが、ダウンロード率を高める直接の要因となっています。
他にも、各職場に影響力のある人材を巻き込んでアプリのダウンロードを促すこともできます。
例えば、社内の優秀事例やお客さまからの声(苦情やお褒めの言葉)をアプリで随時配信し、社員が日々の仕事に生かせるナレッジを共有。各部のマネジャーに協力を仰ぎ、マネジャーが社員に直接「アプリを見ていないと置いて行かれるよ!」と伝えることで、アプリの存在価値を高めてもらいます。
他にも、身近な現場社員のインタビュー記事や各職場紹介の記事を配信することで、アプリへの興味関心を高め、ダウンロードしたいと思わせることもできます。
①社員の業務遂行に必要な情報を展開し、アプリの存在価値を高める
②各職場に影響力のある人材を巻き込んでアプリのダウンロードを促す
③各職場を取り上げ、興味関心をもってもらう
Web、アプリの社内報を「見ないといけない」存在へ
Web社内報の閲覧率やアプリのダウンロード数を上げるには、どれだけ社内報を「見ないといけないツールだ」と位置付けられるかが重要になります。導線やコンテンツの工夫、各現場の巻き込みが必要です。
ウィズワークスの「社内報アプリ」はWeb・アプリ一体型の社内報ツールで、社内で簡単に記事を更新できます。また、社内報制作のディレクターが伴走し、お客さまの課題感をヒアリング。社内でアプリを「ダウンロードしないとまずい」存在にする方法も提案できます。
「社内報アプリ」の具体的な機能、料金体系が分かるサービス紹介資料を、無料でご提供いたします。「資料請求」ページからお気軽にお申し込みください。