携帯電話などの販売代理業で国内最大手の株式会社ティーガイア。これまで全国約400の店舗・拠点に紙の社内報を届けていましたが、コロナ禍をきっかけにWeb化を決め、より高い頻度での情報発信で社員のコミュニケーションを図ろうと、「社内報アプリ」を導入しました。
ビュー数やユニークユーザー数などの効果測定機能を生かしながら、社員の一体感を醸成するメディアへ育てています。経営企画部CSR・広報チームの邊見茂樹さん、宮本智生さんに詳しく伺いました。
【導入目的】
- コロナ禍における在宅勤務の推奨、デジタル化・ペーパーレス化に合わせた情報発信をする
- 情報発信の頻度を高めて、社員や店舗が登場するバラエティ豊かなコンテンツを配信する
- コミュニケーションツールとして活用し、社員の一体感を醸成する
【課題】
- 紙社内報(季刊)では発行頻度が少なく、誌面に限りがある、企画内容が代わり映えしない
- 紙社内報では情報発信が一方的になりやすい
- 読まれているかどうか、どういう企画が読まれるかなど、読者の反響やニーズを把握しづらい
【効果】
- 効果を数字で把握でき、企画に反映できる。PDCAを回すことができる
- 豊富なテンプレートがあり、記事制作の自由度が高い
- 導入前後の伴走サポートで、他社の成功事例やノウハウを知ることができる
- 社員から社内報への掲載依頼が増えた
■株式会社ティーガイア
- 事業内容:携帯電話などの販売および代理店業務、ソリューション・ブロードバンドなど通信サービスの販売取次業務、決済サービスその他新規事業、海外事業
- 従業員数:5,772人(2021年6月末時点 連結)
- 広報担当者様:経営企画部 CSR・広報チーム 小井口亜希子様、邊見茂樹様、宮本智生様、鹿江美沙様、小林みくら様
目次
コロナ禍で紙社内報には限界も。多様な社員を紹介できる場をつくりたい
――「社内報アプリ」導入前、どのような課題があったのでしょうか。
宮本さん:ティーガイアは2008年に2社が合併してできた会社で、当時から10年以上、紙の社内報を年4回全社員に配布していました。全国に約400ある店舗・拠点のスタッフの手元に情報を届け、一体感を醸成するという一定の目的は果たしていたのですが、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大。在宅勤務の推奨やペーパーレスという時勢もあいまって、Web社内報の検討を開始したのです。
検討にあたって、まずは紙の社内報の実態を把握しようと社員にアンケートを実施しました。すると、「社内報を毎回読んでいる」と回答したのは全体の40%で、社内報を読まない理由は「コンテンツが代わり映えしない」「業務時間中に紙を広げて読む時間がない」ということ。加えて、「社員の声や人となりをもっと知りたい」というニーズがあることが分かりました。
邊見さん:紙社内報では掲載できるスペースが限られているので、どうしても会社の大きな動きや全社的なイベントの情報発信が多くなり、社員や店舗の紹介は小さな扱いになりがちでした。Webならば頻繁に更新でき、読者からニーズの高い、社員や店舗の情報も発信しやすいため、課題の解決につながると感じたのです。
Web社内報は読まれない?懸念の声を乗り越えて「社内報アプリ」に決めた理由
――導入にあたっての懸念点・検討事項と、「社内報アプリ」に決めた理由を教えてください。
宮本さん:紙からWeb社内報にすることには一部から懸念の声がありました。紙は手元に届けられるプッシュ型のメディアですが、Web社内報は、社員が自らサイトにアクセスしなければならないので、「読まれないのではないか?」という意見があったのです。
ただ、紙社内報は社員に確実に届けられるものの、アンケートをとらない限り読んでいるかどうか実態が分からず、効果が見えにくい課題もあります。Webならばユーザー数やビュー数を定量的に測り、分析することで効果を可視化できるため、「PDCAを回して、より読まれるメディアに育てていくことができる」という点を強調して、さまざまな会議体で理解を求めました。
導入にあたって重視した点としては、まずは「使いやすさ」と画面の「見やすさ」です。加えて、弊社としてはスマートフォンアプリに対応していることも重要でした。ティーガイアは社員の大半がPCを常時見る環境にはないショップスタッフなので、スマートフォンでならば隙間時間に読んでもらいやすいと考えました。「社内報アプリ」は、数少ないアプリ対応であった点は、導入に至った大きな決め手になったと思います。
邊見さん:「社内報アプリ」はサイトトップのレイアウト調整ができるなど、自由度が高く、いろいろな企画ニーズに対応できる点も魅力的でした。ユーザー視点でも閲覧画面が見やすかったので、管理側・閲覧側の両方でユーザビリティの高さを感じました。
また、導入前に営業やシステム部門の方をはじめ、いろいろな方に非常に厚くサポートしていただいた点も、導入を決めたファクターになっています。こういったツールだと売り切り型でサポートがないこともありますが、弊社にとっては初めてのWeb社内報だったので、導入前後に伴走サポートがあることはうれしかったです。
豊富なテンプレートでさまざまなコンテンツを実現
――「社内報アプリ」を導入後4カ月が経ちました。操作感や運用状況、ユーザーの反応など、いかがでしょうか?
宮本さん:Webならではの特長として、画像を多く載せたり、動画を活用したりすることで、よりビジュアルで見せられます。社員からは読みやすいという声がありましたし、複数の部署から記事の掲載依頼もあり、反響を呼んでいます。
管理画面のユーザインターフェイスも優れていて、直感的に操作ができます。また、テンプレートが豊富にあり、柔軟にさまざまなコンテンツに対応できるのは助かっています。ユニークユーザー数、ビュー数・いいねランキングなどのリアルタイムの数字をダッシュボードですぐに確認できるのもありがたいですね。シンプルですが、必要なものは全てそろっています。
邊見さん:私は期待していた通り、効果や反響を数値化できるメリットを非常に感じています。実際のアクセス数を見て、「どういう内容の記事なら読まれるのか」「今後もっと見てもらうためにはどうしたらいいか」と考えられるという点は、非常にありがたいですね。効果が分かるので、自分たちの努力次第で閲覧数をもっと上げることができるのではと感じています。
宮本さん:社内報専門会社ならではのサポートとして、社内報の公開から3カ月間、週1回配信されるメルマガも役立っています。「Web社内報の開始前後に社内報担当者が悩みやすいこと」をテーマに、さまざまな解決策、他社事例を紹介しているメルマガで、閲覧促進施策や他社の人気企画など、何回も読み直して参考にしています。
そのメルマガが終わった4カ月目以降は、毎月1回、記事の作り方のポイント、見出しの書き方、などをまとめたサポート資料が届きます。これもチーム全員で共有し、よく振り返りをしています。
―― 社内の要望が多かったという、「社員の人となりが分かる企画」もアップしていらっしゃいますね。
邊見さん: Web社内報の一番の発行目的は、社員のコミュニケーションの場になることです。コロナ禍であっても、Web社内報を通じて、「会社にはこれだけ多くの社員がいて、色んな仕事をしているんだな」というのを知ってもらえる場にできればと考えています。
そうした思いから、女性管理職を紹介する「TG Ohana」という企画をしていますが、やはり社員紹介記事は閲覧数が上がりますね。読者にとって身近な社員の紹介を続けることで、徐々に閲覧が増えていく実感は得られています。その記事をきっかけに他の記事を読むことで、他の社員や会社全体にも興味を持ってもらえるはずです。
宮本さん:「TG Ohana」は既存のテンプレートを活用しつつ、CSSでデザインを調整して、親しみやすく読みやすいページデザインに仕上げています。他にも拠点紹介企画があり、Webの強みである写真や動画を活用してたくさんの社員を紹介しました。
宮本さん:クイズで企業理念の理解を深める記事、フォーム(アンケート)を活用して社内報のキャラクター名を募集する記事など、読者参加型の企画も用意しました。ビュー数が伸びやすく、閲覧してもらうきっかけになっていますし、「社内報に参加できるんですよ!」と周知できますね。
効果測定と改善を繰り返し、Web社内報をコミュニケーションメディアへ
邊見さん:紙はプッシュ型のメディアではありますが、社員が自宅に持って帰ることはあまりなく、読んでいる人も「パラパラと見ているだけ」だったかもしれません。Web社内報は、スマホアプリもあるので、いつでもどこでも読んでもらえることを期待しています。実際、数値を見ながら編集側が創意工夫することで効果が目に見えますし、一度認知さえされれば、内容をしっかり見てくれている社員が多いように感じています。
── 今後取り組みたいことはありますか?
宮本さん:Web社内報の導入で更新頻度を上げることができたので、新規事業の紹介や部署紹介など、新たな情報発信を増やしていきたいです。以前は社員からもらった原稿を調整して記事化することも多かったですが、今後は自分たちでWeb取材をして記事を作っていく経験を重ねながら、社内の人脈を広げることでWeb社内報の認知を上げていき、コミュニケーションツールとして活用していきたいです。
邊見さん:各拠点に編集部員を置いて記事を投稿してもらうことで、現場の社員をもっと紹介していきたいですし、「お気に入りの飲食店紹介」のようなライトな企画もやりたいなと思っています。社員が楽しく働き、その地域で活躍している姿を通して、会社全体の一体感を育んでいく。そんなコミュニケーションの場になるよう、Web社内報を育てていきたいと考えています。
――ありがとうございました。