汎用プラスチックに独自技術を加えた、機能性フィルムや容器の技術開発型メーカーである株式会社アイセロ。1933年4月に創業し、2023年には90周年を迎えました。また、60年前から社内報の役割を担うインターナルコミュニケーションツールを発行しています。
その長きにわたる歴史に新しく刻まれたのが、2021年より導入した社内報アプリです。その背景にあるのは、社員一人一人に伝えたい情報を伝え、エンゲージメント向上を目指したいという思い。社内報アプリの運用に携わる総務部・広報担当の皆さまにその思いに至る背景を聞きました。
【導入目的】
- エンゲージメント向上に取り組めるツールの活用
- 情報が届いていなかった層にしっかりと情報を届ける
【課題】
- 情報が届く範囲が限られており、一部の社員に届いていない
- イントラではWebらしい双方向性を取り入れられていなかった
- 分析ができておらず、情報を出して終わりになっていた
- 紙の社内報の保管が大変
【効果】
- 社内報に対する社員からの期待が増えた
- 個人に届けたい情報が届く範囲が広がった
- 横のつながりが生まれるきっかけづくりに寄与
■株式会社アイセロ
- 事業内容:防錆フィルム、水溶性フィルム、クリーン容器・フィルムなど汎用プラスチックに独自技術を加えた機能性フィルムと容器の技術開発型メーカー
- 従業員数:574名(単体)、1,291名(連結)(2023年2月現在)
- 広報担当者様:<総務部>柿田康善様 <広報担当>竹下博之様、植田昌代様、萬屋麻衣子様、小野麻由香様
目次
個人のスマホに発信し、届けたい対象に届けたい情報を共有
——Web社内報の導入を検討したきっかけを教えてください。
植田さん:社員一人一人に、届けたい情報をしっかりと届けたいと考えたことがきっかけです。これまでは紙社内報に加えて、イントラからのPDF配信、社内での掲示の主に3つの方法で情報の配信を行ってきましたが、年に一度実施するアンケートで発信している情報の一部が届いていない社員が存在することに気づきました。
また、どの方法でも一方的な情報発信にとどまり、双方向でのコミュニケーションを取れるものではありませんでした。また、年1回実施していた読者アンケートでは、どのくらいの社員が社内報を読み、どの記事に関心があるのかを調査するには不十分でした。
萬屋さん:そういった課題も直面する中、社長の交代もWeb社内報を導入するきっかけだったと記憶しています。
植田さん:そうですね。弊社の社長の夢である「一番大切な人に自信を持って紹介できるような会社にしたい」を実現するためにも、社員のエンゲージメントをより高める必要があります。その役割の一部をWeb社内報に担ってもらうという狙いもありました。
——Web社内報の導入にあたり、どのような検討を行いましたか?
植田さん:届ける人が届けたい情報を届けられ、それを見たい人が見られる環境の整備です。そのためには一人一人に伝えたい情報を着実に届けられるよう工夫しなければなりません。そこで、個人のPCとスマホへの配信を検討しました。
ここで浮き彫りになった課題は、紙の社内報に掲載している情報の全てを個人のPCやスマホに配信するか否か。紙の社内報に掲載している情報は基本的に外部に出ても問題ないものですが、どんな役割の人にどのような情報を届けるかが課題として上がりました。そこで、情報にレベルを付けて4段階に区分けしました。例えば、経営に関わる情報は特に機密性の高いレベル4としました。
社内報専門会社ならではの手厚いサポートが魅力
——社内報アプリをご採用いただいた経緯をお聞かせくださいますか?
植田さん:第一に、ウィズワークスのサポート体制に対する安心感です。Web社内報への取り組みが初めてで、何から進めたら良いかもわからない状況でしたが、最初から親身に相談に乗ってくださいました。また、導入前だけでなく導入後も細かいところに行き届いたサポートを受けられるという点も魅力だと思います。
第二に社内報に関しての専門性です。他社の情報を知り得ない我々にとって、ウィズワークスが保有する他社事例を参考にできる点もありがたかったです。
ウィズワークスの皆さんには大きなことから小さなことまで、本当にたくさんの相談に乗ってもらっています。社内報の画像が表示されない社員がいるといった機器由来のトラブルから、企画を立てる上で他企業がどういう打ち出し方をしているかといった企画の相談、さらには周年企画の相談など、まさに社内報の担当者が外部にいるような感覚ですね。
竹下さん:機能面においても、そのようなウィズワークスさんのホスピタリティの高さを感じられました。実際に運用する立場としては管理画面での操作のしやすさも採用のポイントです。他社のサービスと比較しましたが、感覚的に操作しやすいこともあり、この先、長きに渡って運用する中で担当者が変わっても続けられると思いました。
萬屋さん:記事の出し分けが選択できるところや、スマホの通知機能も決め手になりましたね。一人一人に届けたいという課題を解決できます。
思いを伝える手段としての期待が大きくなった
——社内報アプリの導入後、何か良い変化はありましたか?
植田さん:各部署が抱える課題解決のために、社内報アプリを使用させて欲しいという声が上がるようになりました。自分たちの思いを伝える手段として選んでもらえるようになったのだと思います。最初は週に1〜2回の配信頻度を想定していたのですが、多い週では4回も配信しました。
竹下さん:広い意味で反響や期待が大きくなりましたね。各部署からのオファーが多く整理するのは大変ですが、これほど反響があるとは思いもしませんでした。
小野さん:「いつも楽しみにしています」「これからも期待しています」とうれしいコメントが届くようになりましたね。
植田さん:個人レベルで情報が届くようになったことで、部署からの反応がよくなった理由だと思います。
柿田さん:クラブ活動紹介を開始してから入部希望者が増えました。やはり趣味や興味があることに関連する記事は反応がいいように思います。
植田さん:中途入社の社員がクラブ活動を通じて横のつながりが増えて、休日に出かけたり、終業後に話す機会が増えてという話を聞きました。
萬屋さん:私自身もアウトドア部に所属していますが、今までなかなか仕事ではご一緒できない方と活動を行うことで、コミュニケーションを取るきっかけになっています。
——ウィズワークスが主催する、全国の社内報コンクール「社内報アワード2022」ではブロンズ賞を受賞されましたね。
植田さん:受賞できるとは思ってもみませんでした。外部の視点で評価してもらうことで、さらにより良いWeb社内報を制作できるのではないかと応募しました。
受賞の記事を配信すると「いいね」をたくさんもらえ、社長からは「まだ1年だっけ?と思うくらいレベルが高く内容の濃い活動に感謝しています。さらなる高みを目指して頑張ってください」というコメントももらいました。社内を歩くたびに「頑張ったね」「おめでとう」と声をかけてもらえました。
コミュニケーションが活性化してこそ、会社が成長できる
——社内報アプリを運用することで、今後はどのようなことに期待しますか?
柿田さん:社内報アプリの記事を通じて、コミュニケーションが活発化することを期待しています。コロナ禍ということもあり、以前よりコミュニケーションが不足していると感じる場面を見聞きすることが増えたように思いますが、業務や趣味の記事が上司と部下のコミュニケーションを生み、先輩や隣の部署の人、またはこれまで面識のない社員同士がつながることは、アイセロを成長させる上で実はとても大切なことだと思います。
小野さん:全ての社員に見てもらえるよう、カテゴリーを整理して興味のある記事を検索しやすくし、海外の社員向けに多言語での配信も検討しています。
萬屋さん:社員の反応を都度確認しながらより良い企画を立案し、積極的な配信を心掛けたいです。
植田さん:今、常に閲覧してくれるようなユニークユーザー数は全体の7割です。業務でPCを使用している社員には比較的届いているようですが、現場のオペレーターやパート社員、関連企業の製造担当には、業務面での閲覧のタイミングなどもあり、まだまだこれからといったところです。
アナログですが実際に足を運んで声をかけるなどしてこの割合をもっと増やし、できるだけたくさんの社員をつなげる「ハブ」になるようにもっと成長していけたらと思います。
——ありがとうございました。