2008年設立の株式会社シティクリエイションホールディングスは、新規事業の展開、出資・M&A・JVの設立、最先端のサービスを提供する企業との業務提携など、さまざまな事業に取り組む企業です。社内報は大切な情報ツールでしたが、なかなか見てもらえないことが課題となり、2023年8月「社内報アプリ」を導入。「アプリだと見やすい」と閲覧数は好調推移。経営にも役立てられています。広報の午堂茜音さんにお話を伺いました。
【導入目的】
- 社員がアクセスしやすく、見やすい社内報にする
- 記事、個人、組織単位での効果測定を経営に生かす
- 一部、内定者にも公開し、会社の理解促進につなげる
【課題】
- PDFの社内報はあったが、あまり見てもらえていない
- 社内報専用のサイトではないので、効果測定ができない
- ログインが面倒だから見ていないという社員が多い
- 記事から記事へと回遊してもらいやすいUIも重要
【効果】
- ログインが簡単で、社員が見てくれる社内報に進化
- 効果測定はマネジメントの場でも活用
- 会社の状況をリアルに社員が知れるように
- 内定者には会社の雰囲気が伝わるツールにも
■株式会社シティクリエイションホールディングス
- 事業内容:営業代行、コンサルティング事業、地域創生事業
- 従業員数:1,011名(2023年7月時点)
- 広報担当者様:広報 午堂茜音様
目次
簡単にログインできて、見てもらえる社内報にするために
―― Web(アプリ)社内報を導入することになった理由から教えてください。
午堂さん:以前の社内報はPDFでアップしていたのですが、社内報専用のサイトではなかったのであまり見てもらえる環境にはなく、閲覧数などの計測もできていませんでした。それをスマホやアプリで簡単に、たくさん見てもらえるようにしたい。効果測定もやっていきたいと、Web(アプリ)社内報の導入を検討することになりました。
―― ツール選びで重視したことや、社内報アプリにした決め手は何だったのでしょう。
午堂さん:そもそも「ログインが面倒だ」という社員が多かったので、まずはそこを簡単に、手間なくできるものを、と考えました。それとUIデザイン。見やすいことはもちろん、一つの記事を見た後に他の記事にも簡単に飛べるといった回遊のしやすさなども重視しました。
2023年春頃から10社前後の会社のサービスを検討させてもらって、7月にウィズワークスの社内報アプリの導入を決定。8月にオープンしました。
決め手でいうと、記事単位、個人単位、組織単位で効果分析ができることが一つ。実際に今、組織ごとの閲覧率や、個人単位の閲覧回数順位などを出していますが、その部分がすごく役に立っています。
あとはやはりUIの見やすさ。トップページでは記事をランダムにスライダー表示できますし、シンプルで使いやすいデザインというところも魅力的でした。
サポートサイトを味方に、一人でも着々とオープン準備
―― 準備段階で大変だったこと、それに対して役に立ったアプリの機能やサービスはありましたか?
午堂さん: 過去の社内報記事を移行するのが大変でした。サムネイルも1から全部作り直したので。ただ、操作自体は分かりやすかったです。テクニカルなことが苦手な私でもできましたから。サポートサイトを見ながら「こうやればできるのか」と自分で進められたのは、すごくありがたかったです。
ウィズワークスとは準備段階ではもちろん、オープンの1カ月後、3カ月後、半年後と定期的にミーティングを行っています。そこで、企画のアイデアになるようなヒントや事例を聞いたり、掲示板の活用方法などを教えてもらったり、いろいろと勉強させてもらっています。その学びを今後、弊社の社内報にも生かして、進化させていきたいです。
―― 導入後、社内の反応はいかがですか?
午堂さん:「アプリになってから見やすくなった」「ログインが面倒くさくなくていい」「アプリになってから見るようになった」といった声をたくさんいただいています。リーダーや経営陣からも「この間のミーティングであの記事の話題が出たよ」というような話をいただけていて、幅広く皆さんに見てもらえていると実感しています。
コメント欄で社員同士が会話をしていることも多いんですよ。いいニュースをお届けしたときなどは、「おめでとう」とか「がんばれ」とかのコメントが並んで。社員皆が見られるところで、そういったポジティブな会話が生まれているのはすごくいいなと思っています。
―― 担当はお一人なんですよね。企画出しなど、どうされていますか?
午堂さん:だいたい月単位で私が考えて「これでいこうと思います」と上長に提案し、了承をいただいて進めている形です。
編集方針といったことはあまり決めすぎずに、社員にフォーカスしていく、という軸だけは持って、社員に楽しんでもらえる社内報にしようと。そして少しでも学びにもつながるような機会を提供していけたら、と考えながら作っています。
アイデアは、いろいろなところから持ってきていますね。YouTubeも雑誌もネットもテレビ番組表も参考にします。普段、日常生活を過ごしている中で「これいいな」と思ったらメモして蓄積している感じです。
更新頻度は月6~8回程度。そのうちの月2回は会社の新着ニュースをお届けするコンテンツで、各部門の担当者にエクセルのフォーマットに記入してもらっています。こちらではそれを元にデザインと校閲をしてアップするだけなので助かっています。
効果測定は経営陣の会議でも活躍。閲覧促進にはLINEを活用
―― 効果測定はどのように使われていますか?また、閲覧数を上げるための工夫は何かされていますか?
午堂さん:記事ごとの数字は週1回、組織ごとの数字は月次でまとめて上長に提出。経営陣の会議にも出されて、従業員のエンゲージメントスコアなど共に活用されています。
たとえば「この組織の閲覧数が全体的に下がっているな。何か組織内課題があるかもしれないな」といった判断材料にしています。
閲覧してもらうための仕組みとしては、社内報の公式LINEを用意し、社員全員に友達追加してもらっています。記事を投稿したら「今回の記事はこちらです」というような文面と画像を載せて、タップするとリンクが貼ってあって記事に飛べるようになっています。ウィズワークスのサービスに、スマートフォン用アプリに直接遷移できるURLが作れる、というのがあったのもよかったです。
それでいうと、ウィズワークスから、弊社の社内報が閲覧数的に高い数値を保てていますよ、と教えてもらえたこともよかったですね。他社と比較して弊社の状況がどうなのかを判断できましたし、上長に「うちの会社、結構見られているほうらしいです」と自慢できました(笑)。
急な代替記事作成に対応できたのも、社内報アプリならでは
―― ほかにも社内報アプリを導入したことでよかったことはありましたか?
午堂さん:一度、用意していた記事が会社の都合で急に出せない、となったことがありました。「急いで別の記事を用意しなきゃ」と焦ったのですが、社内報アプリは記事を作るのが簡単なのでなんとかなったんですよ。このときは「仕事に役立つおすすめ記事3選」のような形で、過去の記事をリンクで紐付けした記事を1時間くらいで作りました。これはアプリ導入前ではできなかったことなので本当によかったです。
―― 好評だった企画についても聞かせてください。
午堂さん:反響が大きかったのは、グループ会社の新しい社名アイデアを募集するアンケート企画です。やはり社名が変わるということと、アンケートという形で社員自身が参加できるということで、非常に興味を持たれました。
一番コメントが多かったのは、おすすめラーメンを皆から聞いて紹介した企画です。それと、最近流行っているMBTI診断を経営陣にやっていただいた企画も閲覧数が高かったですね。
会社の状況をリアルに届けられるようになったのは大きい
―― 導入によって、社内の変化で感じられることはありますか?
午堂さん:弊社はスピード感のある会社なのですが、今までは年2回の社員総会でしか会社の進捗を知る機会がありませんでした。それが今では月2回、社内報で会社のリアルをお届けできている。これは大きな変化です。
それと縦割り組織で他事業との関わりが少ないなかで、「こんなにいろいろな社員がいるんだよ」と発信できている。人のことを知れるようになったのは大きいですね。
また、内定者用のアカウントも発行し、記事を限定して公開しているのですが、会社の様子や社員の姿を、よりリアルに感じてもらえるようになったのではないかと思っています。
―― 今後の課題や、やりたいことを教えてください。
午堂さん:常に継続的に見てもらえる工夫はしていかないと、と思っています。そのためには社員同士のコミュニケーションの活性化につながるような企画も作っていきたいし、「面白そう」と思ってもらえる企画を出さないといけない。もう少し気軽に楽しめる動画コンテンツを増やせたら、と思っています。
―― 最後に、社内報担当としてのやりがいを聞かせてください。
午堂さん:私は今入社4年目で、会社初の広報担当なのですが、個人的には「誰かのためになれている」と思えることが、自分の存在価値を実感できる瞬間なんです。そのため、「社内報見ているよ」とか、「あれ、面白かったね」と言われることや、それを数字で知れることがやりがいになっています。
そもそも、社員の皆さんには社内報に協力していただいているという感覚が強いので、協力してもらっているからには貢献できるような価値を提供していきたい。何か、社員の方の学びになったり、背中を押せるきっかけになったり、あるいはちょっと息抜きができる場になったり、そんな社内報を作ることが私自身の成長にもつながると思っています。
―― ありがとうございました。