Web・アプリの社内報を作る上で知っておきたい専門用語を紹介する用語集。今回は、社内報でも利用が増えている動画配信を知るために必要な用語を、初心者向けに解説します。[[1]アプリ編][[2]クラウド周辺編][[3]UI編][[4]レスポンシブWebデザイン編][[5]インターネット基礎編]
アスペクト比
aspect ratio
画像・映像などの画面の幅と高さの比率のこと。例えば、日本の地上デジタル放送のアスペクト比は16:9で、アナログ放送では4:3でした。昔の番組の再放送で左右に余白ができるのは、アスペクト比が異なるせいです。以下の4種類が、よく見かける代表的なアスペクト比。
- 16:9(ワイド):地上デジタル放送、DVD、Blu-ray、YouTube
- 4:3(スタンダード):地上アナログ放送
- 16:10(WXGA): PCディスプレイ、プロジェクター
- 2.35:1(シネスコ):映画スクリーンサイズ
なお、Web・アプリ社内報の動画コンテンツのアスペクト比なら、何か特別な事情がない限り、テレビで見慣れた主流の16:9がお勧め。解像度は、720×480pix(480p)、1280×720pix(720p)などで十分でしょう。
ストリーミング
streaming
インターネット上で、音声や動画のコンテンツを、ダウンロードしながらすぐに再生する技術のこと。YouTube、ニコニコ動画、Netflix、Amazonプライムビデオなど、ストリーミングによる配信サービスは誰もが目にしているでしょう。
音声や動画はデータ容量が大きいので、全データを自分のPCやスマホなどにダウンロードしてから再生するとなると、受信完了まで長らく待たなければなりません。
これに対しストリーミングなら、少しずつダウンロードしながら同時並行で再生するので、待つ必要がありません。
●ストリーミングのメリット
- 待ち時間が少ない
- PCやスマホの空き容量が必要ない
- 映像や音楽を提供するサーバー側の配信負荷も軽くて済む
- 映像や音楽データの再配布など、著作権侵害の抑止効果がある
●ストリーミングのデメリット
- インターネット接続が必須のため、基本的にオフラインでは利用不可(有料サービスではメディアの保存機能を提供している場合も)
- データ容量が大きいため、ある程度の通信速度は必要。低速回線では再生の停止や品質悪化が起きる
- モバイル視聴の場合、データ通信の転送量に注意が必要
社内広報に動画を活用したい企業は増加傾向。Web・アプリ社内報も、ストリーミングを利用した手軽な動画配信チャネルとしての用途を期待されています。
フレームレート
frame rate
動画とは連続した静止画の集まり。フレームレートとは、その「連続した静止画」の、1秒当たりの枚数(コマ数)のこと。例えば「ボールを投げる」という1秒間の動作を静止画で表すなら、3コマより24コマのほうが、滑らかな動きで見られます。
このように「どれぐらい滑らかに見える動画か」を決める要素がフレームレートで、単位はFPS(Frame Per Second)、1秒間に表示するフレーム数で表します。
滑らかな方が良いと考えがちですが、FPSが大きくなるということは、1秒間当たりの静止画枚数が増えることで、動画のデータ量が大きくなってしまいます。
例えばイベント動画撮影ならデータ容量より滑らかさが重要ですが、防犯カメラならどうでしょう。動きの滑らかさより、データ量を抑えてなるべく長く監視録画を続けられる方が有意義ですよね。
皆さんが社内報用に動画コンテンツを作成する場合は、スマホなどで撮影した状態のフレームレート(30FPS前後)のままで十分ですが、データ容量を下げたい場合は、20FPSぐらいまでなら、あまり動作の劣化を目立たせずに容量を下げられるでしょう。
ビットレート
bitrate
動画の文脈での「ビットレート」とは、その動画が1秒当たり何ビットのデータで作成されているかを表し、単位はbps(bit per second)です。要は「動画1秒間にどんな量の情報を詰め込んでいるか」です。
動画などのデータ容量が、高品質であればあるほど巨大になることは、皆さん経験則としてご承知でしょう。動画を静止画の集まりと捉えると、データを大きくする「情報」がいろいろあると分かります。
- 画面の解像度(640×480pixより1920×1080pixの方が重い)
- 色の情報量(モノクロより24ビットカラーの方が重い)
- フレームレート(防犯カメラの5fpsより一般的アニメの24fpsの方が重い)
- 音声品質(音声なしよりはありの方が重く、低音質より高音質の方が重い)
このような要素を詰め込むほどビットレートが高くなり、動画は高品質になります。ただし、高品質になるほどに、動画容量はどんどん巨大化します。
ファイル容量の巨大な動画は、通信回線にも、処理するCPUにも負荷がかかります。動画配信を行う際は、その動画コンテンツの用途ごとに、「どこまでの品質が必要なのか」を考え、最適なビットレートを選ぶ必要があるでしょう。
●参考:一般的なビットレートの例(映像・音声合計/標準的フレームレート)
- デジタルハイビジョン放送:24Mbps
- DVDビデオ:10Mbps
- Blu-rayビデオ:54Mbps
- YouTube HD(1080p)画質:1.5~3Mbps
- YouTube HD(480p)画質:0.5~2Mbps
なお、これまで説明したフレームレートやビットレートのほかに、動画のデータ容量に関わる重要な要素として、データの圧縮技術「コーデック」があります。これについては後述します。
コーデック
Codec
いろいろな捉え方のある単語ですが、動画の文脈であれば、音声・映像データの圧縮・伸長を行うソフトウェアのことです。動画は品質に応じて容量が大きくなるとご説明しました。高品質にしたくても、巨大ファイルは扱いづらい。そこで出てくるのがデータ圧縮、つまりコーデックです。
動画ファイルでは、映像は「動画コーデック」で、音声は「音声コーデック」を用いて圧縮します。種類はいろいろですが、代表例は以下の通り。
- 動画コーデック:MPEG-4、MPEG-2、H.264、VP9、VP8、Xvid など
- 音声コーデック:MP3、AAC、AC-3、FLAC、LPCM など
動画のファイル形式とコーデックを混同しがちですが、動画形式はコーデックとは別物で、コンテナと呼ばれます。別々の動画ファイルと音声ファイルを1つのファイルにまとめる「コンテナ」という意味です。コンテナによってまとめられるコーデックがそれぞれ決まっています。
- ファイル形式:.mp4 .avi .mov .mpeg .flv など
なお、インターネット上で流通する動画で最もよく使われているのは「H.264/MPEG-4 AVC」でしょう。低いビットレートでも画質をそれなりに保てるメリットがあり、YouTubeでも使われているとなれば、現在の定番コーデックと呼んで良さそうです。
「社内報アプリ」でも動画配信
動画配信サービスを提供するJストリーム社の2018年の調査では、「社内広報の満足度が全体では3割以上であるのに対し、動画による社内広報の視聴頻度が高い人に限ると満足度が5割以上に跳ね上がる」との結果が出ています。動画コンテンツを上手に使うことで、貴社のWeb・アプリ社内報の支持層を厚くできるかもしれません。ぜひ挑戦してみてください。ウィズワークス「社内報アプリ」でも、動画はもちろん配信可能です。
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