紙社内報に加えて、Web社内報の運用を始める企業が年々増えています。しかし、紙とWebの違いやコンテンツのすみ分け方が分からない、2つの媒体をきちんと運用できるか不安…と悩まれている社内報担当者もおられることでしょう。
そこで今回は、両媒体の特徴、掲載するコンテンツ例、紙とWebの連動企画、更新頻度など、紙とWebを併用するための基礎知識とそのコツをご紹介します。
目次
社内報とは
社内報とは、社内のさまざまな情報を発信・共有することでコミュニケーション促進、エンゲージメント向上などを達成し、企業価値を高めるためのツールです。
昨今、新型コロナウイルスの影響で紙社内報を社員に届けにくくなったことから、Web社内報を導入する企業が増えてきています。その一方で、工場や店舗など、社用パソコンやスマートフォンが全員に貸与されていない拠点がある場合は、紙社内報が有効であることから、紙とWebの併用を選択する企業も見られます。
※関連記事:「全国の拠点まで会社の情報を浸透させられる」社内報の作り方
社内報の発行目的
発行目的とは、自社の課題を解決するために社内報が果たすべきことを指します。媒体の違いに関わらず、社内報の発行目的をしっかり定めておくことが大切です。具体例としては、下記が挙げられます。
- エンゲージメント向上
- コミュニケーション促進
- 経営理念やビジョンの浸透
- 業務効率化・アイデア創出の促進
まずは社内報全体の発行目的を整理した上で、紙・Webの各媒体で、特にどの発行目的を達成していくかを考えましょう。例えば、会社全体としての発行目的を「エンゲージメント向上」とした場合、紙では「経営理念やビジョンの浸透」、Webでは「コミュニケーション促進」を達成する…といった具合です。
紙社内報・Web社内報の特徴
紙・Web社内報の発行目的やコンテンツを考えるにあたって、まずは両媒体の特徴を理解することから始めましょう。
紙社内報のメリット・デメリット
メリット
- 社員に直接手渡せるため、情報の到達度が高い。
- じっくり読んでもらえるメディアであるため、インタビューなどの長文記事にも向いている。
- デザインの自由度が高い。
- 社用パソコンやスマートフォンが未貸与の社員や、社員の家族、OB・OG、得意先にも見てもらいやすい。
デメリット
- 在宅勤務が進んでいる企業では、そもそも紙社内報を配布することが難しくなり、情報を届けられなくなっている。
- デザイン、印刷などの工程が発生するため、記事の制作から発行までに時間を要する。
- 効果測定を行うには、別途アンケートなどを用意する必要がある。
Web社内報のメリット・デメリット
メリット
- 速報性が高いメディアのため、届けたいニュースを即座に発信できる。
- スマートフォンでも見られる仕様であれば、移動中などの隙間時間にも読んでもらえる。
- コメントやいいね!機能を活用することで、双方向のコミュニケーションが生まれる。
- 効果測定(記事の閲覧数、ユーザー数など)が容易にできる。
- 動画の掲載など、情報発信方法の幅が広がる。
デメリット
- 社員が自らWeb社内報を訪問しないと、読んでもらえない。(Web社内報に訪れてもらうための工夫が必要。)
- 短時間でサクサク読むタイプのメディアであるため、ストーリー性のある長い記事には向かない。
- デザインの自由度は、ある程度限定されてしまうことが多い。
紙社内報・Web社内報 コンテンツのすみ分け方
続いて、紙・Web社内報の特徴に合わせた、掲載コンテンツ例について解説します。
紙社内報のコンテンツ
①経営方針や新中期経営計画の特集記事
経営情報には数字や専門用語などが含まれるため、丁寧な解説記事や図表を使ってしっかりと伝える必要があります。そのため、長い原稿でも読んでもらいやすく、デザインの幅が広い紙社内報での展開が向いています。
②現場社員、社員の家族を主役にした記事
紙社内報のメイン読者である現場社員、または社員の家族をターゲットにした記事を企画するといいでしょう。社員インタビューを行って現場仕事にかける思いを聞く、家族への感謝を語ってもらうといった、読み物形式にするのがおすすめです。
Web社内報のコンテンツ
①新商品紹介、決算情報などの速報記事
自社商品の発売やメディア出演など、スピーディーに届けたい情報の発信には、Web社内報が向いています。決算報告の発表もWeb社内報向きの内容ですが、速報として概要をWeb社内報で伝えた後、具体的な解説記事は紙社内報で展開するといったように、一つのコンテンツを両媒体でうまくすみ分けることもできます。
②写真1枚で社員紹介
社員の仕事ぶり、趣味などが分かる写真1枚と、短い文章で自己紹介をしてもらう企画です。移動中でもサッと読んでもらえるWeb社内報の特性を生かし、Instagramのように写真をメインに社員の魅力を伝えるコンテンツにするといいでしょう。
③動画コンテンツ
動画は、短時間で多くの情報を伝えることができます。そのため、文章では説明が難しい新規事業や新制度などの解説を、動画で紹介するのも有効です。また、普段は文章で発信している社長メッセージや社員インタビューも、動画にすることで、文字では伝わりにくい人柄やその場の雰囲気を伝えることができます。
※関連記事:紙・Web・アプリ社内報のすみ分け方。各媒体の強み・弱み、ネタ案まで
紙社内報・Web社内報 同時運用のポイント
2つの媒体を並行して上手く運用できるのか、不安に感じる社内報担当者も多いはず。更新頻度の調整、年間計画の策定を行い、効率よく運用する体制を整えましょう。
紙社内報・Web社内報 おすすめの発行・更新頻度
紙社内報の発行頻度は年2~4回
年2~4回の発行が目安です。これまで月1回、または2カ月に1回紙社内報を発行していた企業も、速報記事をWeb社内報での発信に切り替えることで、紙の発行頻度を減らし、工数を削減するケースが多く見られます。
Web社内報の更新頻度は週3~4回
「このWeb社内報は定期的に新しい情報を届けてくれる」と社員に認識してもらうために、週3~4回の更新、それが難しい場合でも、週1回の更新をおすすめします。紙社内報用のインタビュー中に、Web社内報でも展開できそうな話を聞いておくなど、効率よくネタを集めるといいでしょう。
※関連記事:Web社内報の運営を少しでも楽に!制作や情報収集に社員を巻き込むコツ
年間計画を立ててスムーズに運用しよう
紙社内報の企画立案、デザイン調整などで忙しい時期には、Web社内報の更新まで手が回らなくなる場合もあります。それを防ぐためには、スケジュール管理が不可欠です。年間計画を立てて、各媒体でどの時期にどんな取材をし、どんな記事を出すか事前に整理しておくと、日々の運用がスムーズになります。
※関連記事:簡単!シートに書き込むだけ!社内報の年間計画を立てよう!
紙・Web社内報の特徴を生かして運用しよう
紙・Web社内報の特徴を理解し、それぞれに合ったコンテンツを企画するとともに、スムーズな運用のために、年間計画に沿ったスケジュール管理を意識しておきましょう。
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