社内報を運用することで、社内の情報共有やコミュニケーションが円滑に進みやすくなります。今回は社内報の制作を検討している人に向けて、目的や手順を紹介します。自社に適した社内報のスタイルや活用方法をつかみ、より多くの社員に読んでもらえる社内報を作りましょう。
目次
そもそも社内報とは?
社内報の運用目的とは?
社内報の運用目的は、企業によってさまざまです。
例えば、企業の基本理念や方針、ビジョンを社員に浸透させ、会社のさらなる発展をとげることを大きな目標にしている会社もあります。他にも、読んで役に立つ知識を掲載し、業務に役立ててもらう目的や、イベントの様子を特集して会社や仲間の活動を伝え、社員間で仲間意識を持ってもらう目的も良いでしょう。
他社の運用目的を参考にすることもできますが、自社のニーズや文化に合わせて独自の目標を設定することが重要です。
社内報を制作する手順を紹介
初めて社内報を導入する場合は、制作の手順が分かっているとスムーズに立ち上げられるでしょう。ここからは、社内報を制作する手順をご紹介します。
目的・方針を明確にし、企画と構成を考える
社内報の制作にあたり、自社で発行する目的(発行理念)や発行方針を明確にしておきましょう。目的を設定して社内で共有しておくことで、各記事の制作工程をスムーズに進めやすくなります。目的やテーマが決まっていると取材のアイデアも浮かびやすく、社内報全体としてブレがなくなり、読者にとっても読みやすい媒体となります。
仮に目的が不明確のまま社内報の計画を進めると、企画内容にずれが出る、編集やデザインの軸が定まらず効果も期待できない、会社の他部署からの理解や協力も得られないなどの可能性があります。
企画テーマや構成案がおおよそ固まったら、写真、イラスト、グラフなど、構成要素を決定します。写真撮影が必要な場合、どんな構図が理想か、グラフのデータを作成するための資料はそろっているかなど、それぞれの要素について考察が必要です。
制作スケジュールを設定する
社内報の作成が決まったら、納品までのスケジュールを策定します。合わせて各記事の担当者も必要です。取材や編集作業、構成・デザインなどの各ステップにかかる時間を見積もり、全体のスケジュールを設定することが大切です。
取材を実施する
策定したスケジュールや目的に従って取材を行います。取材先にアポイントを取る際には企画趣旨やおおよその質問内容、発行日など事前にお知らせしておくことは必須です。
また、取材の際にはレコーダーやカメラなどの録音・撮影機材を持っていくと良いでしょう。メモを取りきれなかった場合や後からもう一度振り返りたい場合などにとても便利です。
企画内容によっては、実際に取材に行かずとも、企画の主旨と質問をまとめて取材先に回答を依頼し、その回答を基に原稿を作成する方法もあります。
構成・原稿の作成
取材後は原稿の作成に入ります。原稿制作では事実を正しく伝えること、読み手を考えながら文章に起承転結をつけ、伝えたいことが明確で理解しやすい構成にすることが大切です。内容によっては担当者への差し戻しが必要になることがあるため、スケジュールに余裕を持たせるのもポイントです。
自社の従業員だけでは対応が難しい場合、一連の作業を外注する選択肢もあります。ただし、外注するためには、費用が発生するので慎重に検討するようにしましょう。
編集・デザインを行う
編集作業は、構成案で決めた文字数に収まっているか、目的とずれが生じていないか、取材した内容がテーマに沿ったものであり、内容は的確に表現されているかなどに注意して行います。誤字や脱字、事実関係の確認も必要です。
また、読み手の立場に立って考えることも必要です。社内報は、ターゲット層を意識することも必要ですが、幅広い層の社員が読むことを前提に、見やすく、シンプルで分かりやすいデザインを心掛けましょう。文字以外にも写真やイラスト、グラフなどを用いて、単調にならないようにします。
社内報のデザインについて、以下のコラムで詳しく紹介しておりますのであわせてご覧ください。
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完成品の確認、社内への配布
内容が固まったら誌面で配布する場合は印刷工程に入ります。アプリやイントラネットなどのWeb媒体を利用する場合は、プラットフォームにアップロードします。必要に応じて、予約投稿などを設定することも可能です。
また、配布や公開の前に、もう一度内容をチェックしておくことが重要です。誤った情報が発信されるとトラブルの元になりかねません。より多くの人に読んでもらうためには、特集コンテンツのハイライトや今月号のサマリーなどを社内メールやチャットツールを通じて連絡すると良いでしょう。
社内報の効果を最大化するコツを解説
せっかく社内報を作成するならば、より効果を高めたいと思う担当者が多いでしょう。ここからは、社内報を効果的に活用するコツをご紹介します。
自社に合った媒体を選択する
社内報を多くの人に読んでもらうためには、自社に適した媒体を選択することが重要です。媒体は大きくWebやアプリに代表されるデジタル媒体と、紙(印刷)媒体に分けられます。
デジタル媒体は、イントラネットやWebサイト、アプリ、デジタルサイネージなどがあります。社員が電子端末の扱いに慣れているならば、デジタル媒体を活用することで、コロナ禍による在宅勤務時でも即時性を持って情報を伝達することができます。記事公開のタイミングを選んだり、閲覧数を確認したりできるため効率的です。ただし、紙媒体のように直接届けることができないため、閲覧促進方法を考える必要があります。
紙媒体は冊子の他にも、現場の目立つ場所に貼り出せる壁新聞もあります。情報の到達度が高いだけでなく、デザインやレイアウトにもこだわることができるため、オリジナリティーを出しやすいのがメリットです。一方、印刷費用がかかる点はデメリットとして挙げられます。
社員が興味を持つコンテンツを準備する
社内報で取り扱うコンテンツは、社内報の目的に応じて決定します。
会社の経営方針やビジョン、当面の目標などを読み手と共有したい場合は、読み手に興味をもってもらえるように分かりやすい言葉で説明しましょう。
社員同士のコミュニケーションを活性化させ、会社で働く社員のモチベーションをアップする目的の場合は、各事業所や工場などの拠点メンバーや取り組みをピックアップして紹介する方法があります。
社内報のコンテンツ・ネタ探しに関しては、以下のコラムで詳しく紹介しています。
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写真やデザインなど視覚的なアプローチも大切
読者に楽しく読んでもらうためには、写真などを積極的に使うと良いでしょう。長い文章や専門用語の羅列、難しい表現の多用などは読み手の興味を遠ざけてしまう可能性があります。社内報の内容に関連する写真を挿入することで、読み手は視覚的に情報を捉えやすくなります。また、社員の写真を使うと、同期の仲間や入社時の上司など、関わりの深い社員の現在を知ることができ、人気の企画となるでしょう。
また、伝えたい内容がひと目で理解することができる工夫も大切です。発行目的にもよりますが、親しみやすく分かりやすいデザインやレイアウトにするのがコツです。
PDCAサイクルを回す
社内報は一度発行して完結するものではなく、定期的に発行していくものです。目的に対する効果を上げるためには、PDCAサイクルを回して改善していくと良いでしょう。目標を達成したか評価するために、年間や半期ごとのゴールやKPIを設定すると効果的です。
社内報を発行したことによる社員の反応をみるには、アンケートを実施して意見を集めたり、評価を数値化したりすると分かりやすいでしょう。
【事例あり】社内報の活用方法とは?
事例があると、社内報のイメージがわきやすくなるでしょう。ここでは、実際の会社での社内報の活用例をご紹介します。
事例1:マクロミル
マーケティング支援企業の株式会社マクロミルでは、「マクロミルの“今”を伝える」を目的にWeb社内報「NOW」を運営しています。他にも、「マクロミルの“リアル”を伝える」という目的で紙社内報「ミルコミ」も季刊で発行しています。「動画にしかできない表現で、モチベーションを高める」という目的で動画にも力を入れています。各媒体の目標が明確になっていることで、良質な社内報を発行し続けられているのが特徴的です。
※参照:社内報ナビ:公開対談レポート|動画社内報の導入メリットと人気のコンテンツ
事例2:エン・ジャパン
人材採用・入社後活躍のエン・ジャパン株式会社では、各社員がそれぞれ記事を更新するユニークなWeb社内報「en soku!(エンソク)」を発行しています。1,000本以上の記事は、社内報としての体裁を保ちながらも社外にも公開されています。
「せっかくの情報を社内だけに埋もれさせてはもったいない」という考えから社内外に公開し、社員のモチベーションや会社の雰囲気をさらに良くする媒体になっているといえるでしょう。
※参照:エン・ジャパン株式会社:「en soku!(エンソク)」
※参照:社内報ナビ:書き手は計280人、社内外に毎日発信するWeb社内報 (エン・ジャパン株式会社)
社内報のネタに困ったときのためのアイデアを紹介
社内報を導入しても、取り上げる内容が思い浮かばず困ってしまうこともあるでしょう。ここでは、社内報のネタをご紹介します。
トップからのメッセージを掲載する
会社を取り巻く環境や最新のビジョンを知るには、トップの言葉を聞くのが一番です。トップから社員に向けたメッセージを載せることで、社員が目指すべき方向を認識したり、モチベーションをアップしたりできるでしょう。
社員のプライベートを掲載する
堅苦しい言葉だけではなく、息抜きになるような情報を掲載することも効果的です。例えば、社員のプライベート時のファッションや、趣味などを取り上げると目で見て楽しめるでしょう。拠点が全国や海外まで広がっている会社では、その土地ならではのお弁当や名物の紹介なども読者に喜ばれます。
ランキング形式で情報を提供
拠点周辺の人気のランチスポットや週末のお出掛けスポットなど、ランキング形式の特集を組むのもおすすめです。市販の雑誌などからアイデアを得ることも可能です。
業務や事業の歴史を紹介
会社への帰属意識や愛着を高めるために、事業内容の変遷や会社の歩みを紹介するのも面白いでしょう。当時の様子が伝わる写真を効果的に使って、分かりやすく説明するのがコツです。
社内報を発行すべき会社とは?
社員数が100人を超えると、社内の情報流通が非効率化し、障害が生じやすくなります。社内報を有効に活用することで、それらの問題を解消することができます。
100人未満の規模でも、特に全国に事業所や店舗がある企業は、通勤している事業所外の社員や部署がどのような業務にあたっているのか見えづらいことがしばしばあります。社内報で社員の知りたい情報を発信することで、社員同士がつながりを感じ、モチベーションを高める効果が期待できるでしょう。
大きな組織で社内報を実施する際は、担当者を選出し、実現に向けて必要なリソースを確保しましょう。
社内報の運用で情報共有を活性化させよう
今回は、社内報のコンセプトや導入するメリット、活用するポイントを紹介しました。社内報の導入を検討している方はもちろん、すでに社内報を活用している企業の方も、運用する目的を整理したり、企画案を増やす機会にしてください。
ウィズワークスの「社内報アプリ」は、パソコンだけでなく、スマホでも手軽に閲覧できるのが特徴です。社員がいつでも確認できるため社内に浸透しやすく、また社内報担当者がWeb知識がなくても簡単に運用できるシステムを整えています。今まで紙媒体で社内報を制作していた企業でもスムーズにWeb社内報に移行できるよう、サポートいたします。
Web社内報の運用に興味をお持ちの方は「資料請求」ページからお気軽にお問い合わせください。皆様に合った運用方法についてご案内いたします。