新型コロナウイルスの影響で紙の社内報を配布するのが難しくなった、予算管理がより厳しくなったなどの理由から、Webやアプリ社内報への切り替えを検討する企業が増えています。
しかし、紙社内報とWeb社内報とでは媒体の特性が異なるため、運用方法も大きく変化します。社内報をWeb化するにあたり、導入時期に何をするべきか、社内報担当者として何を理解しておくべきかを、4つのポイントに分けて詳しく解説します。
最終更新日:2021年1月3日
目次
①紙・Web社内報のメリット・デメリットを理解する
媒体によってメリット・デメリットが大きく異なります。まずは各媒体の特徴を知ることから始めましょう。
【速報性・更新頻度】
紙社内報とWeb社内報の最大の違いは速報性です。読者の手元に届くまで時間がかかる紙に対して、Webは届けたいニュースを即座に発信できる利点があります。Web社内報を社内に浸透させ、なおかつその後の読者離れを防ぐためにも、Web社内報は更新頻度を高めた方がいいでしょう。
ウィズワークス発行の『社内報白書』によると、2018年の調査ではWeb社内報を月7回以上更新する企業は27.3%だったのに対し、2020年の調査では36.4%に増加しており、更新頻度を意識している企業が多いことがうかがえます。
【双方向性】
Web社内報では、記事にコメントやいいね!機能がついているケースがあります。その機能をうまく活用することで、読者との双方向のコミュニケーションが生まれます。
【到達率】
Web社内報はPULL型メディアであり、読者に記事をクリックしてもらえないと読まれない媒体です。その一方、紙社内報はPUSH型メディアで、読者の手元に直接届けることができます。そのことから、Web社内報の方がどうしても到達率が下がりやすくなります。
【コンテンツの作り方】
短時間で読める記事が好まれやすい
また、Web社内報は短時間でさっと読めるコンテンツが好まれる傾向にあり、ストーリー性の高い長文を掲載するには、原稿の合間に写真を多く織り交ぜるなど、読みやすくするための工夫が必要です。紙社内報はじっくり読まれやすいため、ストーリー性の高い長文にも向いています。
デザインの自由度
また、Web社内報は記事のデザインがパッケージ化されている場合があり、デザインの自由度は紙社内報の方が高いと言えます。
動画の活用
Web社内報は動画を取り入れたコンテンツ作りが可能です。原稿や写真、動画を組み合わせて発信することで、メッセージをより立体的に分かりやすく表現できます。
※紙・Web・アプリ社内報の強みと弱みに関しては、過去の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
紙・Web・アプリ社内報のすみ分け方。各媒体の強み・弱み、ネタ案まで
②Web社内報で実現したいことを整理する
自社の経営課題、紙社内報における課題感、社内報のWeb化によって解決したいことを整理してみましょう。その上で本当にWeb化するべきなのか、紙とWeb社内報を併用するのかなど、改めて考えてみてください。
社員同士の交流機会が少ない、グループ間の連携が取れていないなどの課題がある場合は、双方向のコミュニケーション創出のためにWeb社内報が活用できるでしょう。一方で、非常に高度なデザイン性を求める場合や、長いストーリーをじっくりと読んでもらいたい場合は、紙社内報の方が好ましいと言えます。
もし、紙とWebを併用する場合は、媒体ごとにターゲットやコンテンツをどうすみ分けるのか、じっくり検討する必要があります。
また、Web化することによって、システム環境の問題で社内報を見られなくなる人がいないかの事前確認も必要です。紙社内報が若い世代に読まれにくい傾向があるように、Webになじみの薄い世代(主に中高年)には届きにくくなることも理解しておきましょう。
③Web社内報の種類(強み・弱み)を知る
Web社内報といっても、その手法は複数あります。それぞれの強み・弱みを理解した上で、自社の課題感やWeb化で実現したいことに最も適した手法を選びましょう。
紙社内報に最も近い手法です。紙とほぼ同様の工程で制作した原稿をPDFデータにし、イントラに掲載します。
PDFならば、紙社内報の強みであるストーリー性、デザイン性も実現しやすくなります。紙と同じような制作工程のため、Web化へのハードルは低いですが、企画から発行までに時間がかかり、Web社内報なのに速報性が低いという不相応な結果になりかねません。
また、スマートフォンで見る場合は、画面をピンチアウトする手間がかかり、読者にとってはストレスになりやすい欠点もあります。
HTML
Webサイトを一から作る手法です。「HTML」はWebサイトを構築する際の言語を指します。
サイト構造やページ構成、デザインなどを全て自社で決められるため、自由度が高い一方で、セキュリティ要件の確認、システム諸条件の検証や環境構築など、サイトを立ち上げるにあたって必要な作業工程が多く、専門知識も必要です。コンテンツの更新時にもWeb制作・運用のリテラシーが必要となるため、社内で対応しきれない場合は外部委託することになりますが、その分費用がかさむこともあります。
CMS
CMSとは、Webの専門知識がなくても、原稿や画像を一元的かつ容易に管理・保存できるシステムのことです。
導入時にはセキュリティ要件など、システム諸条件の検証が必須となりますが、記事の更新作業はWordのような操作感で容易に行えるため、日々の運用は社内メンバーだけでも可能です。
動画との連携やコメント欄、いいね!などの機能を有するものもあり、読者の反応を確認しやすい面も。Web・アプリ統合型の社内報を選ぶ場合は、スマートフォンに記事更新の通知が届く「プッシュ通知」機能があるケースもあり、情報の到達度を高めることができます。
④発行目的・運営体制を決める
ツールなどのハード面が固まってきたら、ソフト面の準備も丁寧に進めていきましょう。
Web社内報を導入した企業から「立ち上げ時にやっておけばよかったこと」としてよく挙がるのが、発行目的を決めておくこと。ページ数の制限がなく、いつでも更新できる特性のため、いつの間にか配信コンテンツがどんどん増え、発信内容にぶれが生じることもあります。
社内報担当者が悩んだ際にいつでも原点に立ち帰れるよう、発行目的や存在意義、コンセプトをまとめておき、編集部全員の共通言語にしておきましょう。
複数人で運営する場合は、役割分担や記事を公開するまでの承認フェーズなども決めておくことも大切です。各拠点に協力者(編集委員)を置く場合は、彼らがモチベーション高く参加できるような体制作りも必要となります。運営体制に関しては、過去の記事もぜひご覧ください。
Web社内報の運営を少しでも楽に!制作や情報収集に社員を巻き込むコツ
スケジュールは余裕を持っておこう
じっくり時間をかけて準備するためにも、スケジュールにはできる限り余裕を持っておきたいもの。モデルスケジュールをご紹介しますので、参考にしてください。特にCMSやHTMLを選んだ場合は、社内のセキュリティ要件の確認に時間がかかる可能性がありますので、注意してください。
あわせて読みたい Web・アプリ社内報の導入事例はこちら
自社の課題に合わせてじっくり想定し、準備しよう
Web社内報は一度システムを構築するとハード面での軌道修正が難しくなるため、ソフト面を含めて、立ち上げ時にどれだけ準備ができるかが重要です。自社の課題感や閲覧に適した環境を再整理して、自社に合う最適な媒体を選び、準備しましょう。
ウィズワークスの「社内報アプリ」は、CMSを活用したWeb・アプリ一体型の社内報ツールです。社内で簡単に記事を更新できるほか、コメント機能やいいね!機能も付いており、双方向のコミュニケーションを生み出します。
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