情報収集の目的やエンターテイメントを楽しむ方法として、インターネットで動画を視聴する機会が増えています。動画は短い時間で効率的に内容を伝達できるため、情報発信手段の一つとして注目されています。ビジネスシーンでも積極的に活用されており、インターナルコミュニケーションのツールとして社内で動画共有を始めようと考えている企業も多いでしょう。
この記事では、社内で動画共有をする意図やもたらされるメリット、運用する際の注意点や手段などを紹介します。
目次
社内で動画を共有するメリットとは
従来、社内の情報発信は印刷した紙媒体の資料の配布や説明会、会議などによって行われてきました。しかし、デジタル技術の進化により動画による情報発信も盛んになっています。そのため、社内での情報共有に動画を取り入れようと考えている企業も多いでしょう。
社内で動画を共有すると、音声や身振り、イメージ画像(映像)などを組み合わせて、伝えたい内容をより分かりやすく従業員と共有できます。また、一度動画を撮影すれば配信によって拡散したり、繰り返し視聴したりできるため、多くの従業員にくまなく情報を届けられる点がメリットです。全国各地にオフィスを構える規模の大きい企業や、外出する従業員やシフト制で勤務する従業員が多い企業などにとって便利なツールとなるでしょう。
ここでは、社内で動画を共有するメリットについて、企業と従業員の視点から紹介します。
企業側のメリット
- コストの削減
- 業務効率の向上
- 共通理解の促進
社内で動画共有をすると、企業側にはコストの削減や業務効率の向上、共通理解の促進などのメリットがあります。企業が従業員と円滑にコミュニケーションを取るには、頻繁な情報発信が必要です。
紙媒体の資料や会議などで情報発信を行う場合は、印刷コストや場所の手配などさまざまな費用がかかります。その点、動画を用いて情報共有を行えば、インターネットさえあれば全員に同じ情報を共有でき、経費を節約できることが利点です。
また、会議や講習会などで従業員を集める場合は、事前のスケジュール調整や準備に多くの手間が掛かります。動画配信であれば、閲覧者も時間や場所にとらわれず閲覧することができます。結果として、企業全体の業務効率を向上できます。
また、社内で動画を共有するためのアプリやプラットフォームなどのツールを活用すれば、大掛かりな準備をせずに配信できる点も魅力です。
さらに、動画を撮影しておくことで発信する内容にズレが生じない点もメリットです。大規模な企業の社内研修や説明会などでは、複数の担当者が存在するため、人によって説明方法や内容が異なる場合があります。企業の経営方針やルールの運用方法などの重要事項を連絡する際は、動画を用いることで全員に同じ情報を共有し、共通認識を持ってもらえるでしょう。
従業員のメリット
動画によって情報が共有されると、従業員にもメリットがあります。
- 音声やジェスチャー、イメージなどが組み合わさり、内容を理解しやすい
- 時間や場所にとらわれずに閲覧できる
- 正確かつ均一化された情報が届く
動画は音声やジェスチャー、イメージなどの情報を組み合わせて伝えられるため、文書などの資料に比べて、内容が分かりやすい点がメリットです。実際に、1分間の動画が伝える情報量はおよそ180万語、Webページでは3,600ページに匹敵するという研究結果も報告されています。
また、重要なポイントや細かい点など情報の強弱を付けられること、正確な情報を伝えられることも動画の強みです。
さらに、動画は時間や場所にとらわれず自由に閲覧できます。出張や外出の多い従業員にも負担をかけずに視聴してもらえるほか、見逃した点やよく分からない点があれば何度でも繰り返し見られます。入社したばかりの従業員や業務に不安のある場合にも、動画があればより早く理解を深められるでしょう。
そして、動画共有は発信される情報に偏りがなくなることもメリットです。情報が均一化されるため、質問相手によって回答や指導が異なるというケースがなくなるでしょう。組織や上下関係に左右されず、平等に情報を取得できるため従業員同士でも話が通じやすくなります。
社内で動画共有が役立つ事例
動画は多くの情報量を短い時間で伝えられるため、従業員とのコミュニケーションの場で積極的に取り入れると良いでしょう。これまで動画を使った情報共有をしたことがない企業では、どのような場面で役に立つのか知りたいという担当者もいるのではないでしょうか。
ここでは、企業で動画共有すると役に立つシーンを具体的に紹介します。
企業理念・トップメッセージの共有
組織の規模が大きい企業や急成長を遂げて従業員数が増えている企業では、企業理念や経営者のメッセージをタイムリーに発信し従業員の間に浸透させることが重要です。
経営陣と従業員の間に距離があると、トップの想いや戦略が伝わりにくくなります。社内イントラやメールによるメッセージの共有では、情熱や重要性が伝わらず共感してもらえない可能性がありますが、動画で社長のメッセージを配信すれば、表情を見たり声の抑揚を聞いたりできるため従業員に思いが伝わりやすいでしょう。
また、動画を通じて経営陣を身近に感じることができ、従業員が同じビジョンとモチベーションを持って業務に取り組みやすくなります。
企業理念を浸透させる方法については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。
■関連コラム
経営理念を浸透させるには? 社内で浸透しない原因と成功させるポイント
社内広報の手段と特徴
社内研修
動画は社内研修にも活用できる便利なツールです。
特に、複数のオフィスを構える企業や組織が大きい企業では、従業員向けの研修を複数の会場や回を分けて実施するケースが多くあります。そこで、研修内容を動画に撮影して配信する方法に変えると、スケジュール調整や会議室・セミナールームの予約、講師や従業員の移動が不要になります。従業員がそれぞれの勤務場所から視聴できるため、長距離移動のコストや手間も省けるでしょう。
さらに複数拠点で同じ動画を配信すると、内容のズレがなくなります。保存されたデータの視聴によって同じ情報を伝達できるため、偏りなく効果的な研修を運営できるでしょう。リアルタイムで同時視聴する必要がないため、休暇や出張中の従業員も後から同じ研修を受けられる点が便利です。
業務マニュアル
ホテルやレジャー施設、飲食店、工場などさまざまな業界で必要とされる業務マニュアルの多くは文章や図で記載されていますが、操作やサービスが必要な職種では文章や図による説明だけでは分かりにくい・不十分な場合があります。資料に基づいて職場の先輩からレクチャーを施されることもありますが、複数の先輩から異なる内容を教えられて混乱したり、一度では理解できなかったりするケースは少なくありません。
そこで、業務や操作のマニュアルを動画で作成すれば、同じ内容を全従業員に共有できます。動画の中で説明やデモンストレーションが行われるため、従業員は統一された正しい内容を理解できるでしょう。不明な点は繰り返し視聴でき、従業員のサービスや業務の質を高められます。
拠点間の情報共有
全国規模に支部や店舗を構える企業では、拠点間のコミュニケーションツールとして動画を使うと便利です。
本部から複数拠点に向けた連絡事項は、動画を用いると内容を正確かつスムーズに伝えやすくなります。定例会議のレポートや株主総会の様子、業務ルール、営業ノウハウなどにも動画を使うと臨場感や細かいニュアンスを理解してもらえるでしょう。
動画では視覚と聴覚に訴えることができるため、見た人の印象に残りやすく内容を周知徹底できます。複数の拠点を持っていても、連絡漏れや勘違いを最小限に防ぐことにもつながります。
社内で動画を共有する方法
社内で動画を共有するためには、法人向け動画配信サービスを利用する方法が一般的です。法人向け動画配信サービスは多数展開されていますが、利用料やサービスの内容は会社によって異なるため、自社の利用目的を明確にしてから選択すると良いでしょう。
ただ、動画配信サービスのために新しいツールを導入すると、まずツールの利用を浸透させる必要があり、肝心の動画をなかなか見てもらえない、といった問題が生じる可能性があります。特に、動画を共有させる目的が企業理念の浸透や部署を越えた情報共有の場合は、より手軽に閲覧できる環境が大切です。
そこでおすすめなのが、Web社内報による動画の共有です。Web社内報であれば、PC、スマートフォン問わず閲覧が可能なため、移動時間のちょっとした合間や通勤時、リモートワーク中でも見られます。公開日時ごとに自動整理されているため、チャットツールのように他の情報に埋もれて探しづらくなる心配もありません。
社内で動画を共有する際のポイント・注意点
社内で動画を共有する際に、気を付けておきたいポイントがあります。ポイントを押さえて最適な運用方法を選ばないと無駄なコストや労力、リスクが発生してしまうケースもあります。
ここでは入念にチェックしておくポイントを2つご紹介します。
動画で情報共有する目的や意図を明確にする
社内コミュニケーションの手段として動画を利用する場合は、最初に動画配信の目的や取り扱う内容を明確にしておくと効果的です。例えば、社内報を文書で発行してもなかなか読んでもらえないという課題を抱えている場合は、内容を動画に置き換えて多くの従業員が手軽に視聴できるように工夫できます。
また、サービスや操作方法など、言葉だけでは伝わりにくい内容を動画で伝えることも有効です。動画配信サービスを利用する目的を決めておくと、情報を受け取る側も分かりやすいと感じてくれるでしょう。
しっかりしたセキュリティ対策を行う
企業内で情報を共有する場合は、情報漏洩などのリスクを考えてセキュリティ対策のしっかりしたシステムを利用することも重要です。
例えば社内向けの動画共有を検討している場合、YouTubeなどの動画共有サイトは無料で利用でき便利ですが、動画のURLが特定されてしまうと社外の人でも動画を閲覧できてしまいます。社内の情報が外部に漏れるリスクがあるため、社内共有のみを目的としている場合は特にセキュリティ対策に力を入れているサービスを選びましょう。
動画共有にWeb社内報を活用しよう
従業員とのコミュニケーションツールの一つとして動画を取り入れると、効率的な情報伝達、業務効率の向上など、企業と従業員の両者にメリットがあります。企業にとっては印刷コストや場所の手配などの経費を節約でき、従業員にとっては平等な情報の取得が可能です。
動画配信方法の方法やツールは多数展開されていますが、「社内に浸透させる」「見られやすいコンテンツとして展開する」のであれば、Web社内報がおすすめです。文字と動画の両方から従業員へアプローチでき、コミュニケーションツールの一つとして機能しますので、動画を通して経営層からの思いを伝えたり、情報を社内に浸透させるツールとしてぴったりです。
ウィズワークスの「社内報アプリ」では動画を共有することが可能です。従業員にとって使いやすく、効果を確認しながら社内報を運営できるでしょう。社内で動画配信を試みようと思っている場合は、ぜひ社内報アプリの活用をご検討ください。機能や利用方法など、詳しい内容は「資料請求」ページからお気軽にお問い合わせください。